セバスチャン・ベッテル(レッドブル)へのブーイングを止めさせるには、連戦連勝のレッドブルを飛び出して他チームで才能を発揮するしかない。
そう進言するのは、スイス出身の元F1ドライバー、現在はドイツ『Sky(スカイ)』でテレビ解説を行っているマルク・スレールだ。
「彼は速さと安定性を備えている。それと、常に持てるすべてを引き出す能力がある」と、F1韓国GPで語るスレール。
「そこがフェリペ・マッサ(フェラーリ)と違う点だ。彼はたまに予選でしくじる。また、ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)は調子の波が激しすぎる」
だが、最近のF1第11戦ベルギーGP、続くイタリアGP、シンガポールGPでは、レースを追うごとに強さを増して3連勝を遂げながら表彰式になるとブーイングが目立ち、華々しい活躍に影を落としていることも確かだ。
「彼には変化が必要かもしれない」と、スレールは語りこう続けた。
「環境を変えれば、レッドブルでしか勝てないという認識を払しょくできるし、ブーイングも止んでおとなしくなるだろう」
多くのF1関係者は、ブーイングは単にドライバーズ選手権4連覇に向けて着々と前進するベッテルに向けたイライラの表れとみている。
韓国GPでも、優勝から最短距離にいるのはベッテルだ。スレールにも異論はない。
「何かが起きるとしたら、タイヤのトラブルしかない」と、スレール。「去年はレース終盤にきてタイヤが勝敗を分けた。今年のタイヤは、さらに軟らかいからね」
「今年、同じことが起きないとも限らない。タイヤに厳しいレースでフェラーリやロータスといったチームがレッドブルよりうまく事態を切り抜ける展開を、今まで目にしているからね」