2012年シーズンも終盤に入り、タイトル争いも激しくなっている中、勝つためにチームは一層の向上を見せなければいけないとフェラーリのフェルナンド・アロンソは繰り返している。
レッドブルのセバスチャン・ベッテルと、マクラーレンのルイス・ハミルトンは明らかにアロンソよりも速いマシンを駆っている。
鈴鹿では第1コーナーでスピンを喫しリタイアとなったアロンソは、まだ自身がポイントをリードしている事を「奇跡だ」と話している。
「2010年シーズンでも、レッドブルは僕らより1秒以上速かったけれど、僕らはアブダビ(最終戦)までチャンピオンシップでリードしていた」
結果的に、そのシーズンはアロンソの敗北となった。
「今彼ら(レッドブル)は僕らよりコンマ8秒速いけれど、チャンピオンシップはまた僕らがリードしている。この状況には慣れたと言ってもいいね」とフィンランドのテレビ局『MTV3』に語っている。
日本GP終了時点で一気にベッテルとの差が縮まったアロンソは、最後の数レースのために速いクルマが欲しいという。
「この数レースで僕らはマシンを段違いに向上できると信じているんだ。ここ2、3レースでは全然良くならなかった。でも、この先には良い作戦があるんだ」と期待を口にしている。
また、アロンソはスペインの『El Confidencial(コンフィデンシアル)』には、コンマ8秒も遅いのにポールポジションや勝利を期待するのは「まともじゃないよ」と語っている。
「少しずつリードはなくなっていく、でもこのリードは信頼性があったから築けたものなんだ。誰かがリタイアしている時も、路面が濡れている時も、状況が悪いレースでも、きちっといい結果を出してきたから築けたリードなんだ」
フェラーリチーム代表のステファノ・ドメニカリは5日(金)にフェラーリの問題は、風洞トンネルが正常に作動していないために性能の高まる新しいパーツを製造できていない事だと認めている。
「われわれの使っている施設はとても古いから、最高のものではないのは明らかだ。使用する機材の向上も考えていかなくてはいけないね」
アロンソは、与えられたマシンで限界まで戦い続けるつもりだと語る。
「この5年間、ずっと性能の低いマシンでも年間チャンピオンを争ってきたんだ」とスペイン紙『El Pais(パイス)』に語っている。
アロンソをポイント争いで追うベッテルは、2005年と2006年に連覇したアロンソは強敵だと認めている。
「夏休みが明けた後は、マクラーレンのマシンが一番速いと思うけど、フェラーリの強みはコースが乾いていようが、濡れていようが、気温の高低があろうが安定した結果を残している事だよ」
「僕の仕事はアロンソより多くのポイントを持って帰る事だよ。アロンソとフェラーリはマシンが良くなくても必ず多くのポイントを持っていくから難しいけどね」とベッテルは語った。
日本GP終了時点で、ドライバーズランキングでトップのアロンソと2位ベッテルの差は、4ポイントとなっている。