フェラーリの内部事情に精通しているジャーナリストとして知られるレオ・トゥッリーニが、バルセロナで行われた先週末のF1スペインGPにフェラーリが持ち込んだ改良F1マシンは「完全に失敗」だったと指摘した。
■フェラーリは問題を理解できていないと伊メディア
実際のところ、イタリアのメディアには、スペインでもふがいない結果に終わったフェラーリに対する手厳しい論調が多い。
「フェラーリはますます混沌の中に沈んでいく」
そう書いた『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、次のように付け加えている。
「予測不可能なマシンの問題は解決できないように見える」
『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』は、次のように付け加えている。
「最悪なのは、チームがその問題を理解していないことだ」
また、『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』は、イタリアのマラネロに拠点と置くフェラーリは「行き詰まっている」と表現し、次のように付け加えている。
「バルセロナは今シーズンのターニングポイントとなるはずだった。だが、技術的革新は何の成果も生んでいない」
■フェラーリの改良マシンは「完全な失敗作」
こうした中、トゥッリーニは自身のブログ『Quotidiano(クオティディアーノ)』に次のように書いている。
「これが中間試験だとすれば、フェラーリは落第だ。そして、それは完全な失敗だった」
「神話的なアップグレードは機能していないし、(シャルル)ルクレールのレース後の言葉は失望への頌歌だった」
実際、25歳のモナコ人ドライバーであるルクレールは、スペインGPを予選19番手、決勝11位で終えた後、次のように語っている。
「今年はこれまでに何度も失望させられたけど、今シーズンはずっとこれが続くことになるだろうね」
「このマシンは理解不可能だよ。レースの2つの異なる局面で同じタイプのタイヤを履いても、それらの挙動が違うんだ。たとえ僕が同じことをしていてもね」
トゥッリーニは次のように付け加えている。
「つらい春だったよ。フェラーリとともに育った私のような者にとってはね。そして今、私は恐れているところだ。夏がさらに悪くなるのではないかとね」
■フェラーリ新チーム代表にはもっと時間が必要だとラルフ・シューマッハ
一方、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、フェラーリにはこれからも「険しい道」が待っていることは確かだとしつつ、今年からチーム代表を務めているフレデリック・バスールには、この状況を変えるためにもっと時間を与える必要があると考えている。
「彼はまだ就任して数か月なんだ。時間がかかるものだし、彼にはそれを与えなければならないよ」
「彼は今、何人か新たな人材をチームに迎えようとしているところだし、彼らが働き始め、それが実を結ぶまでには、まだ時間がかかるだろうからね」
『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』にそう語った47歳のラルフ・シューマッハは次のように付け加えた。
「それに、フェラーリには今シーズンを、そして来年の序盤を見限ることもできるんだ」