現在はイタリアのピレリがF1唯一の公式タイヤサプライヤーを務めているが、その契約更新にあたって、ブリヂストンという強力なライバルが出現する可能性があると報じられている。
■2025年以降も続投を目指すピレリ
現在、ピレリが結んでいるF1タイヤ供給契約は2024年までとなっている。そして、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、今年4月に2025年以降の新たな契約に関する入札手続きなどのプロセスを開始している。伝えられるところによれば、その契約は基本が2025年から2027年までの3年間で、1年(2028年)の延長オプションが設けられることになると考えられているようだ。
ピレリのモータースポーツディレクターを務めるマリオ・イゾラは、当時次のように語っていた。
「もちろん、それは我々が決められることではない。だが、我々はF1に参加していることに満足しているし、続けたいと考えているよ」
■今年4月にはブリヂストンがF1復帰に興味との噂も
1977年から1984年まで、そして2001年から2006年までF1タイヤサプライヤーを務めていたフランスのミシュランも2025年のF1復帰に興味を持っているようだと伝えられていたが、グループCEOのフローラン・メヌゴーは4月に自分たちは“ショー”のためのルールに焦点を合わせているF1に復帰することには興味がないと主張し、入札に参加するつもりはないことを明らかにしている。
そうした中、同じく4月には、2010年までF1タイヤサプライヤーを務めていた日本のブリヂストンが復帰を考えているとの噂も伝えられていた。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は当時次のように報じていた。
「ブリヂストンは、モーターレースの頂点に戻ることに非常に興味を持っていると言われている」
■すでにブリヂストンが入札に参加済みとの噂も
そして、F1スペインGPの予選が開催された先週末の土曜日(3日)には、スイスの『Blick(ブリック)』が次のように報じた。
「ピレリは続投を希望しているが、ブリヂストンが復帰を計画していると言われている」
そして、今週に入ると、『Motorsport-total.com』が、ブリヂストンのモータースポーツ推進部に所属する鈴木栄一氏が「F1を含むグローバルカテゴリーでモータースポーツ活動を拡大する方法を常に考えている」と語ったと伝えた。
ドイツの『Sport1(シュポルト1)』は、この噂についてブリヂストンにコメントを求めたところ、広報担当者は次のように答えたとしている。
「ブリヂストンは60年以上にわたるモータースポーツの伝統を持ち、今後も持続可能なグローバルモータースポーツ活動を追求していきます」
「しかしながら、特定のカテゴリーについてコメントすることは控えさせていただきます」
だが、メディアの中には、すでにブリヂストンがFIAに対して入札手続きを行ったようだと報じているものもあり、日本のF1ファンにとっては今後の進展が非常に気になるところだ。