前F1最高責任者のバーニー・エクレストンが、ピレリの2019年仕様F1タイヤを擁護する発言を行った。
最近、ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーが、今季のピレリタイヤによって生じている状況は「F1とは言えない」と語り、次のように主張したことが報じられた。
「タイヤがうまく機能するのかどうかが常に重要な課題になるべきではないよ」
シュタイナー以外にも今季のピレリタイヤに不満の声を上げている者は少なくない。一番の問題だとされているのは、その性能をうまく発揮させることができる状態にタイヤ温度を保つことが難しいということだ。言い方を変えれば、スイートスポットの範囲が狭いタイヤだということだ。
実際のところ、2月中旬から2回に分けて合計8日間で行われたプレシーズンテストではかなりの速さを示していたハースだが、実際にシーズンが始まり、冬のバルセロナとは大きくコンディションが異なるサーキットでのレースに臨むようになってからはかなりの苦戦を強いられてしまっている。
そして、ハース同様バルセロナで好調を示していたフェラーリも同じような問題を抱えているようだ。
開幕から4戦連続でメルセデスに1-2フィニッシュを許してしまったフェラーリのセバスチャン・ベッテルは、「以前のメルセデスは時々タイヤがオーバーヒートする問題を抱えていたと思う。新しいタイヤ(2019年仕様)は逆の状況を生んでいるよ」と語り、次のように付け加えた。
「僕たちのクルマもバクー(第4戦アゼルバイジャンGP)では悪くなかった。だけど、タイヤを適切に使える範囲を見つけるのが難しかったんだ」
レーシングポイントのテクニカルディレクターを務めるアンドリュー・グリーンも、F1チームにとって今季最大の関心事はタイヤだとドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語っている。
「残念ながら、違うサーキットに行き、違うアスファルトになればその都度変化してしまう。毎回それについて学ぶ必要がある」
シュタイナーはさらに次のように続けた。
「ピレリはタイヤの設計を変えた。トレッドがこれまでよりも薄くなったことで、熱を保つことが一層難しくなっているんだ」
しかし、88歳のエクレストンは、ここまでの4戦はすべてメルセデスが勝っているにせよ、そうしたタイヤがあることでほかのチームにも勝機を見いだすチャンスが生まれるのだと次のように語った。
「全員がタイヤを理解できている状況を想像してみるがいい。そうなったら、(チームの)順列は常に同じだよ」