F1のレース週末における、予選や決勝のやり方が変更されることはしばらくなさそうだ。
人気復活を目指すF1では、今後数年のうちにさまざまな改革を推し進めることになっている。そして、その中にはレース週末に行われる各セッションの形式を新しいものへと見直すべきではないかとの声も上がっていた。
事実、『Speedweek(スピードウィーク)』は、F1の意思決定機関であるストラテジー・グループが「恒常的に」その問題について検討を行っていると伝えている。
ひとつのアイデアとして伝えられているものは、土曜日の午前中に予備予選を行い、土曜の午後に短いレースを実施。その結果で日曜日のメインレースのグリッドを決定するというものだ。
■変更に消極的なドライバーや関係者も
ザウバーのチームマネジャーを務めるベアト・ツェンダーは、この問題に関する話し合いが始まったのは最近のことではないと認めつつ、自分としてはF1がそうしたフォーマットを取り入れることにはあまり賛成ではないと語っている。
そして、ドライバーの中にもそうした案には消極的な姿勢を示す者もいる。
2010年から2013年までレッドブルで4年連続チャンピオンに輝き、今季は最強メルセデスAMGの筆頭ライバルとなったフェラーリをけん引するセバスチャン・ベッテルもそのひとりだ。
「僕は伝統を重んじる人間だからね。それを導入すれば、F1グランプリから何か大切なものが失われてしまうように思えるんだ」
メルセデスAMGのニコ・ロズベルグも次のように語った。
「僕にとって歴史は大切なものだし、テニスのグランドスラム大会だって現在の4つから突然7つに増えたりはしないよ。そういう意味でも、僕たちには注意深くする必要がある」
だが、少なくともしばらくの間は、現行のレースフォーマットが継続されることになりそうだ。
■現時点では現行フォーマットを変える必要はないとジャン・トッド
F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長は、この問題に関して『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように語った。
「単純な話だよ。我々の目から見て、現在のフォーマットよりも好ましいと思えるものは何も見当たらない」
「何か、これなら本当に面白くなりそうだというものが出てくれば、そのときはそれについて非常に慎重に検討を行うことになるだろうがね」