レッドブルのダニエル・リカルドは、母国で行われた今季のF1開幕戦オーストラリアGPで失った2位表彰台という結果を再び取り戻すチャンスがあると考えている。
F1の競技委員会は、オーストラリアGP決勝において、2位でフィニッシュしたリカルドのクルマのルノーエンジンに規定以上の燃料が流入されていたとしてリカルドを失格処分とした。これに対し、レッドブルは控訴することを表明している。
失格処分が下されたという知らせを決勝日(16日)の真夜中に伝えられたリカルドは、翌17日(月)の早朝、オーストラリア版『Herald Sun(ヘラルド・サン)』に対し、「僕は意見を言う立場にないし、今はそのことについて話ができるような気分じゃないよ」と語っていた。
だが、その後、マレーシアGPに向けて数日間トレーニングを行うために、メルボルンから生まれ故郷のパースへと飛んだリカルドは、『West Australian(ウエスト・オーストラリアン)』紙に対し、レッドブルが最後には(控訴において)勝利するという自信があると次のように語った。
「そうでなければ、そんなこと(控訴)はしなかっただろう。これには多くの時間もかかるし、費用だってかかる。だからチームには裁定をひっくり返すことができるという自信があるんだ。でも、その結果が分かるまでにはしばらくかかるだろうけどね」
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、F1エンジンサプライヤー3社はいずれもオーストラリアではF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)から義務付けられた燃料流量センサーに問題を抱えていたと主張している。だが、当事者となったルノーを除くほかのメーカー2社は、FIAの判断を支持している。
フェラーリのチーム代表であるステファノ・ドメニカリは次のように語った。
「我々は、FIAによってうまく管理された状況にあるということを信頼する必要がある」
さらに、メルセデスAMGのエグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフも、『Guardian(ガーディアン)』紙に次のように語った。
「明らかにFIAが燃料流量に関しての統制を行っているし、すべてのチームを調べている。これは、FIAとチームの間でそれを行いながら学んでゆく問題だ」
だが、リカルドは、レッドブルにはオーストラリアGPで下された処分を不満だとするだけの確固たる理由があると考えていると次のように続けた。
「チームは、これは白か黒かというはっきりした問題ではなく、少しばかりグレーな部分があると感じているんだ。それが、チームが控訴をして戦おうとしている理由なんだ。どうなるかはそのうち分かるだろう」
実際にFIAがレッドブルの控訴内容に関する聴聞を予定するまでには少し時間がかかることになりそうだ。だが、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、この問題に関しては速やかに明確にされるべきだと考えている。
マルコは、『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』紙に次のように語った。
「流量を計測する装置に弱点があるんだ。我々としては、レギュレーションの範囲内だったと考えている」
「この件については、次のレースまでに明確にされるべきだ。なぜなら、現時点では信頼のおける計測ができないんだからね」