フォース・インディアが、F1を所有するCVCキャピタル・パートナーズに対し、F1の発展に無関心だと激しく非難した。
投資会社であるCVCは昨年、64%所有していたF1株式の売却を始めたが、予定されていたシンガポールでの新規株式公開は市場の動向から見合わせている。F1の運営方法や利益分配などを規定したコンコルド協定では、収益分配でレッドブル、フェラーリ、マクラーレンのトップ3チームが他チームより有利になっており、フォース・インディアのチーム・マネジャーであるボブ・ファーンリーは、それを「最悪」と強く非難している。経済専門の米通信社『Bloomberg(ブルームバーグ)』が伝えた。
「CVCは、このスポーツの発展に関心がない。関心があるのは、できるだけ金を稼いで、売り飛ばすことだ」とファーンリーは話している。
「この収益分配はF1のためにならない」
F1では、小規模チームの多くが資金面で苦しんでいる。かつてルノーF1のマネジングディレクターを務めたフラビオ・ブリアトーレは、今週『Sky Italia(スカイ・イタリア)』にこう話している。「どうして何か言うチーム代表が1人もいないのか理解できないね」
スペインのチームHRTは昨年末でチーム解散に追いやられた。フォース・インディアでは、オーナーでチーム代表のビジェイ・マリヤの経済問題が記事になっている。マルシャとケーターハムは、どちらもナンバー1ドライバーを解雇して、「ペイドライバー」と呼ばれるスポンサー資金を持ち込むことのできるドライバーを選ばざるを得なかった。
こうした状況を受けて、ファーンリーはこう語った。「投資家には利益が出なければならないが、同時に(F1に)関心も持っている投資家が必要だ」
「CVCはF1から金を絞り取ってきた。F1に投資する人は、CVCがどれだけ懐に入れているか、注意してよく見守るべきだ」
一方で、ミナルディの元オーナーでチーム代表を務めたポール・ストッダートは、全チームの待遇が平等になるのは「素敵な夢だが、実現はしない」という意見だ。
ストッダートは、フォース・インディアのように年間ほぼ3,500万ドル(約33億円)の分配金をCVCから受け取れるなら、「熱く燃えた石炭の上をはってでも取りにいく」と話している。