ジェンソン・バトンは、マクラーレンを自分中心のチームに変える取り組みをしていると語った。
2009年に旧ブラウンGP(現メルセデスAMG)でタイトルを獲得、ディフェンディングチャンピオンとしてマクラーレンに乗り込んだバトン。しかし、2010年当時のチームをルイス・ハミルトン寄りとみていたF1パドックの面々は、バトンの移籍を“飛んで火に入る夏の虫”と決めつけていた。
あれから3年弱、ハミルトンとマクラーレンの関係は終わろうとしている。替わってセルジオ・ペレス(ザウバー)が加入するものの、2013年タイトルを取るのは自分だと、バトンは豪語する。
バトンは、リオ・デ・ジャネイロのスポーツ日刊紙『Lance!(ランセ)』に、次のように語っている。「外の世界からは分からないかもしれないが、F1には頭の切れる連中が大勢いる」
「同時に、F1はとんでもない競争社会だ。フェルナンド(アロンソ)などは、競争好きの最たるものだよ」
「頭のいいフェルナンドは、(フェラーリを)自分のチームに変えてしまった。そんな環境でこそドライバーは力を発揮できるんだ。僕も前のチーム(旧ホンダ~ブラウンGP)で同じことをした。今それが、ここマクラーレンでも起きているのさ」
もうすぐマクラーレンを去るハミルトン。果たしてバトンは、チームが手塩にかけて育ててきたハミルトンの脱退に一役買ったのだろうか。バトンは「ノーコメント」と答えるのみだ。
ただ、バトンはこうも語っている。「僕より前にいる連中から、ひとりがいなくなるよね」
「今年の僕は決勝の速さこそ良好だが、土曜日の予選では良くても2番に甘んじている」
「それが来年は一番になれるかもしれない。決勝ペースは、もともと僕の強みだ。決勝の走りで僕に敵う(かなう)ものはいないと思う。逆に苦しいのは、予選なんだ」
「自分に合うクルマがあればポールポジションを取れるかもしれないが、少しでも手こずると、ルイスより後ろになってしまう」
アロンソのフェラーリでの地位をうらやむバトン。一時はバトンもフェラーリ入りを取りざたされたが、今さら跳ね馬でアロンソのチームメートは難しいという。
「あくまで僕の想像だけど、チームに加入すれば歓迎はされるだろうが、どうせフェルナンドは、すかさずイタリア語でエンジニアに話しかけるだろうさ」