F1の最高責任者であるバーニー・エクレストンは、ここまでの2012年シーズンを喜んでいると力説した。
これまでのところ、開幕以来7戦ですべて違うドライバーが優勝するという、予想のつかないレースが続く空前のシーズンとなっているが、これに対する評価はパドックを2分している。
チーム間の力の差が小さいことと、挙動を理解しづらいピレリタイヤによって、見応えのある「ショー」になっていると歓迎する意見もある。その一方で、純粋にスポーツとして見る立場から、「運試し」のようなレースでは最終的にファンが離れてしまうと危ぐする意見もある。
エクレストンは、自分は前者だと明かし、ロンドンでの昼食会で『Gulf News(ガルフ・ニュース)』に語った。
「長年この仕事をしてきたが、こんなのは見たことがないよ」と50年以上F1にかかわってきた81歳のエクレストンは話した。「まさに歴史的だ」と付け加えている。
「毎レース、称賛すべき極上のなにかや、興奮する出来事があった」
「このショー全体を見れば、今まさにわれわれが選手権の勝者なんだということが分かる。世界中の膨大なテレビ視聴者の数と、サーキットのチケットが完売になっていることがその証拠だ」
「シーズンが終わるまでに、あとどれだけのサプライズが待っているんだろうと思うよ。私の年老いた心臓がもってくれるといいが」とエクレストンはジョークを飛ばした。
「まだ折り返し地点にも来ていないんだ。ドライバーズ・チャンピオンシップのトップは交替し続けている」
「シーズン終了までに、まだまだたくさんの楽しみとドラマが待っているよ。それは、保証する」とエクレストンは締めくくった。