2024年、角田裕毅とダニエル・リカルドがドライブするアルファタウリの競争力にライバルのF1チームは注視することになるだろう。
■アップデートが多かった2023年
レッドブルのセカンドチームであるアルファタウリは、売却の噂が流れる中、非常に競争力のないマシンでシーズンをスタートしたが、レッドブル・レーシングとより緊密な関係を保ってシーズンを終えた。
「22戦中18戦でアルファタウリは新しいパーツを装着して登場し、そのうちの8回はB、C、Dバージョンといってもいいほどだった」と『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌のミハエル・シュミット記者は語る。
■RB19のリアサスペンションを搭載して低速コーナーで最速
しかし、ライバルたちが懸念しているのは進歩の速さだけではない。レッドブルのジュニアチームは、タイトルを獲得したRB19のリアサスペンションでシーズンを終えている。
マクラーレンF1代表のアンドレア・ステラは、「いまや彼らほど低速コーナーをうまくこなすことができるチームはないよ」と警戒する。
■エンジニアたちはニューウェイと同レベルだと信じていた
当時はトロロッソとして知られていたイタリアのファエンツァを拠点とするチームは、数年前に親チームと同様の相乗効果を再燃させることができたかもしれない。
「エンジニアたちにはプライドがあり、自分たちは(エイドリアン・)ニューウェイと同じくらい優秀だと信じていた」とレッドブルのヘルムート・マルコ博士は言う。
それが今では変わりつつあり、アルファタウリのエンジニアたちはレッドブルのミルトン・キーンズ・キャンパスに自分たちのビルを持つことになった。
■ライバルはレッドブル化を懸念
アルファタウリの進歩が、すでに優位に立っているレッドブル・レーシングを助けることになるのではないか、それこそがライバルチームが最も懸念していることだ。
しかし、FIA(国際自動車連盟)のニコラス・トンバジスによれば、チーム間の協力関係に目を光らせているという。
「我々は2~3週間ごとに各チームを訪問している」とトンバジスは確認した。
■ホーナーの影響力増大?VISA獲得か
クリスチャン・ホーナー代表の力の増大もライバルの懸念材料だ。
ホーナーはダニエル・リカルドのF1復帰、元フェラーリのローラン・メキースのアルファタウリ代表の就任、そしてジュニアチームの新たな主要スポンサー『VISA』の獲得を支持したと考えられているからだ。
「もしアルファタウリが来年5位を争うようなことになれば、チーム売却を求める声が上がるのは間違いない」とある匿名のレッドブル関係者は語った。