2025年からのF1新規参戦を目指しているアンドレッティ・キャデラックを率いるマイケル・アンドレッティは、FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)が自分たちの参戦申請を許可するはずだと考えているようだ。
■ルノーCEOとエンジン問題で会談?
スペインのスポーツ紙『Marca(マルカ)』によれば、アンドレッティ-キャデラックをめぐる最新のうわさは、かつてマクラーレンでアイルトン・セナのチームメートを務めたことでも知られる60歳のアンドレッティがF1カナダGPが開催されたモントリオールでルノーのルカ・デ・メオCEOと面会していたというものだ。
伝えられるところによれば、アンドレッティ・キャデラックは当初はルノーからF1エンジン供給を受け、そのエンジン名称をリブランドしてキャデラックと呼ぶ契約を結ぶことになるだろうと言われている。
しかし、実際のところ、アンドレッティ-キャデラックが本当にF1に参戦できるかどうかはまだ不透明だ。既存F1チームたちはチーム数が増えることに抵抗していると伝えられており、F1最高責任者のステファノ・ドメニカリも新チーム誕生を歓迎していないと言われている。
■“全速力”でF1参戦準備を進めるアンドレッティ
先週末のロンドンでは、アンドレッティのチームであるアバランチ・アンドレッティも参戦するフォーミュラEのレースが開催されたが、アンドレッティはそこでドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』からF1プロジェクトの準備状況について質問を受けると、次のように答えている。
「私はプロジェク・マネージャーたちから絶えず最新情報をもらっているよ」
「インディアナ州フィッシャーズの新本部建設はすべて予定通り進んでいるんだ。2024年末までには旧本部から移転したいと思っている」
「この投資は本当に大きいものなんだ。そしてF1チームだけでなく北米のプロジェクトもそこにまとめたいと思っている。我々の最初のマシンはヨーロッパで製造されるが、その後はインディアナで製造される予定だよ」
「我々は、最初のアメリカ製F1マシンを手にすることになる」
■参戦実現に向けては“楽観的”
アンドレッティのこうしたコメントは、アンドレッティ・キャデラックのF1参戦が承認されることを確信しているかのように聞こえるが、実際のところ勝算はあるのかと尋ねられたマイケルは次のように続けた。
「ああ、それについては楽観的だよ」
「FIAが今後数週間のうちにこれを明らかにしてくれることを願っている。いずれにせよ、我々は全速力で準備を進めている。現在の従業員は25人だが、その数は増え続けているよ」
このチームがゴーサインを得るために重要なのは、ゼネラルモーターズとキャデラックの支援だろう。アンドレッティは彼らも「全速力で取り組んでいる」と主張している。
■2人のドライバー候補は現インディカードライバー
一方、新F1チームのドライバー候補については、アンドレッティは一貫して現在インディカーで活躍している23歳のコルトン・ハータがF1プロジェクトの一員だと語っている。
そして、現在はインディカーのライバルチームであるチップ・ガナッシ・レーシングのドライバーを務めるアレックス・パロウもアンドレッティ・キャデラックのドライバー候補だと考えられている。
「アレックスとコルトンがF1に参戦できることに、私は微塵の疑いも抱いていないよ。2人をすぐにでもF1マシンに乗せたいと思っているよ」
そう語ったアンドレッティは、現在マクラーレンで活躍するランド・ノリスに言及しながら、次のように付け加えている。
「かつてランドはコルトンのチームメートだったことがあり、彼らは同じレベルだった。今、F1でのランドを見れば、コルトンに何ができるかもわかるだろう」