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【F1】ブリヂストンが本気で復帰を望んでいるとしたら“驚き“だとミシュランのスポーツ責任者

2023年06月27日(火)19:20 pm

フランスのタイヤメーカーであるミシュランのモータースポーツ責任者が、ブリヂストンが2025年からピレリに代わってF1公式タイヤサプライヤーになろうと本気で考えているとしたら「驚きだ」と語った。

F1では2011年以降イタリアのタイヤメーカーであるピレリが単独公式タイヤサプライヤーを務めている。

そのピレリが現在結んでいる契約は2024年までとなっているが、2010年までタイヤサプライヤーを務めていた日本のブリヂストンがF1復帰を目指してF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)に申請を出したようだと噂されている。

伝えられるところによれば、FIAはすでに2025年以降の契約期間についてピレリとブリヂストンの両社から提出された技術申請を承認しており、今後、特定の期限を定めることなく、商業的な交渉が行われることになると考えられている。

■我々の基準はF1とは合致しないとミシュラン

こうした中、2006年までF1においてブリヂストンと争っていたミシュランは、現時点ではF1に復帰することは全く考えていないという。

ミシュランのモータースポーツ責任者であるマチュー・ボナルデルはこのほど『f1-insider.com』に次のように語っている。

「もしF1から入札への誘いがあれば、我々ももちろん慎重にそれを検討するよ」

「しかし、我々にとっては、満たさなければならない一定の基準がある。それは、我々が革新的あることが可能でなければならないということだ。我々はモータースポーツを実験室として使うんだ」

■サステナビリティに関する期待値はほぼゼロ

そう語ったボナルデルは、F1の公式タイヤサプライヤーを務める者は、ショーとしてのF1をスパイスアップするために設計されたタイヤを製造するべきだと次のように続けた。

「我々は、ミシュランのブランド哲学に合うようなストーリーを語りたいと思っている。それは、より長持ちし、持続可能な高品質のタイヤを製造することだ」

「しかし、F1の入札においては、サステナビリティに関しては1行の半分しか書かれていない。この点に関しては、期待値はゼロに等しいし、全く問題にならないよ。我々はレース後にタイヤを燃やすことだってできるだろうし、誰も何も言わないだろう」

■F1ドライバーたちが満足できるタイヤが必要

ボナルデルはさらに、現在のF1タイヤはもはや最高のパフォーマンスを発揮するようには設計されていないと次のように続けている。

「タイヤはドライバーにとって難しい状況を作り出すために使われているのが現実だ。ドライバーはそれらのタイヤをなんとかうまく使わなくてはならないし、それはタイヤのイメージを悪くするものだ」

「我々は、ドライバーが戦うことが可能となり、彼らのタイヤパートナーに満足できるようになって欲しいと思っている」

「ピレリは気にしていないかもしれないが、それは我々にとっては欠かせないものだ。だから、彼らがそういう哲学を持ち続ける限り、我々は参加しないよ」

■ミシュランに近い考えのブリヂストンは入札に勝てない?

ボナルデルはさらに、今回のFIAの入札において、ブリヂストンがピレリに勝つ現実的なチャンスはないとも考えている。

「F1が本当にほかのタイヤメーカーに興味を持っているのかどうかは私にはわからない」

「入札の招待状は新規参入者のために書かれたものではなく、現在のサプライヤーのために書かれたものだよ」

F1関係者の中には、ブリヂストンが現在のところ入札参加について口を閉ざしているのはそのためだろうと考えている者も少なからずいるようだ。

「理念、考え方、戦略的目標という点では、ブリヂストンはミシュランとそれほど違わない。彼らの方がピレリよりも我々に近いのは確かだよ」

そう語ったボナルデルは、次のように付け加えた。

「もし、ブリヂストンがF1に参戦することでタイヤのデグラデーション(性能低下)のデモンストレーションを行いたいと望んでいるのだとすれば、私は驚くだろうね」。

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