3人のF1チーム代表が、現在のF1テレビ視聴率低迷状況をそれほど心配する必要はないと示唆した。
世界的にF1人気が高まりつつあると伝えられているが、その一方でF1のテレビ視聴率は大きく落ち込んできている。
■来年はレッドブルと対等に戦えるとメルセデスのボス
メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、その理由のひとつには、レッドブルだけが圧倒的に強く、すでにマックス・フェルスタッペンの3年連続でのF1ドライバーズタイトル獲得がほぼ確実な状況となってきていることがあると示唆している。
「人々には予測不可能性が必要なんだ」
アメリカの放送局『CNBC』にそう語ったヴォルフは、次のように続けた。
「ショーとスポーツは切っても切れない関係にある。しかし、そこにはルールがある。そして、そのルールに則って勝つ者は勝利に値するんだ」
「私は、来年はレッドブルと対等に戦うことができると思っている」
「近年、我々は技術的な面でいくつかの失敗を犯してしまった。しかし、これは物理学であり、神秘主義ではないんだ。そして、我々はすぐに戻ってくるよ」
■“レッドブルを除けば”素晴らしい戦いになっているとハースのボス
ハースのチーム代表であるギュンター・シュタイナーも、ライバルチームたちがレッドブルに追いつくのは時間の問題だと考えている。
「ルールが機能するためには、時間を与える必要があると思っている」
「レッドブルの仕事は素晴らしいよ。だが、モナコでは予選で15台が1秒以内に入っていた。もっと時間があれば、ほとんどすべてのグリッドがそういうふうになると私は思うよ」
スペインの日刊スポーツ紙『AS』にそう語ったシュタイナーは、次のように付け加えている。
「もしレッドブルがいなければ、戦いはすでに素晴らしいものになっていただろうね」
さらにシュタイナーは同じくスペインの『Marca(マルカ)』にも次のように語っている。
「昨年と同じだよ。アストンマーティンが2位に躍り出るなんて、誰も言わなかっただろう」
「F1には常に未知のことがある。そしてレッドブルもまた予算制限から逃れることはできない」
「現在、どうして彼らがこんなに速く走れるのかを突き止めようとしているチームが9つあるんだ」
■チケットはどこに行っても完売だとアルファタウリのボス
また、レッドブル・レーシングの姉妹チームであるアルファタウリで長年チーム代表を務めてきたフランツ・トストも、テレビ視聴率の低迷やレッドブルが現在の圧倒的に優勢な状況にあることを過度に心配してはいないようだ。
「私は心配していないよ」
母国オーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』にそう語った67歳のトストは、次のように続けた。
「どこへ行っても、ほぼすべてのサーキットで(チケットは)売り切れ状態だ」
「ドイツとオーストリアで視聴率が落ちてきているのは、主に国民的ヒーローがいないせいだよ」
しかしトストは、2023年シーズンはすでにレッドブルのライバルたちにとっては絶望的な状況だと認めている。
今季ここまで、一度もライバルチームのドライバーが表彰台の中央に立つことを許していないレッドブルが、このまま無敗でシーズンを終える可能性もあると思うかと質問されたトストは、次のように答えた。
「パフォーマンスから見れば、イエスだね」。