昨年までアルファロメオを率いていたフレデリック・バスールを新たなチーム代表に迎えて2023年シーズンをスタートしたフェラーリだが、現時点では現チャンピオンチームのレッドブルばかりかアストンマーティン、メルセデスにも後れをとってしまっている。
■不調の原因のひとつは内部の対立?
開幕戦バーレーンGPにおいて、予選での一発の速さではレッドブルに挑戦できるレベルにあることが確認されたフェラーリだが、その一方でレースペースが悪いことが明らかとなった。
だが、2週間後に行われた第2戦サウジアラビアGPでも、サーキット特性が大きく異なるという面はあったにしろ、その問題が改善された兆候を見ることはできなかった。
こうした中、フェラーリのパフォーマンス問題改善がうまく進まない背後には、チーム内の問題も大きく影響していると考えている者もいるようだ。例えば、最近ではバスールとチームスタッフたちの間に対立があり、それがだんだん激しくなっているようだとも噂されている。
しかし、バスールはそうした噂を否定している。
■問題は外部からのプレッシャーだとバスール
「多くの人が、フェラーリは内部の統制が難しいだろうと私に言ったよ」
そう語ったバスールは、次のように続けた。
「しかし、それは必ずしも正しくはないよ」
「チーム内の雰囲気や協力関係はいいよ。だが、外部からのプレッシャーが大きいんだ。それが私の仕事だよ」
しかし、バスールもそうした噂がささやかれていることが「チームの士気に影響する可能性がある」ことを認めている。
「確かに、現実とは何の関係もないこの種の噂に影響されることもあるよ」とバスールは付け加えている。
■技術部門体制はメルセデスやルノーと同じ
また、技術トップも兼任していた前チーム代表のマッティア・ビノットを更迭したことにより、フェラーリには現在技術部門を統括する人材がおらず、それが今シーズンここまでの不本意な結果につながっている一因ではないかとの噂も根強くささやかれ続けている。
だが、バスールはこうした噂に対しても次のように反論している。
「エンリコ・カルディレがシャシーの責任者であり、エンリコ・ガルティエリがエンジンの責任者だ」
「それは、メルセデスあるいはルノーと同様の分担だよ」
バスールは、イタリアのマラネロにあるフェラーリ本部には改造が必要な部門もあることは認めたものの、それが具体的にどの部門なのかについては「自分の胸に秘めておく」としている。