元F1最高責任者のバーニー・エクレストンが、F1はマックス・フェルスタッペンを批判するのではなく、「感謝」するべきだと主張した。
■久々にF1サーキットに姿を見せたエクレストン
10月末に92歳となったばかりのエクレストンだが、2017年にF1新オーナーとなったリバティ・メディアによってCEOの座を追われた後は、実際にF1グランプリ会場を訪れることもあまりなくなっていた。
だが、F1サンパウロGPが開催された先週末のインテルラゴス・サーキットには、久々にエクレストンがその姿を見せていた。エクレストンは現在、ブラジル出身の妻、そして2歳となった長男と一緒にブラジルに住んでいるためだ。
久々にF1レース会場を訪れたエクレストンは、オランダの『De Telegraaf(テレグラーフ)』紙に次のように語った。
「F1が前進しているのを見るのはうれしいね」
「多くのことが変わったが、変わっていないものもたくさんある。数え切れないほどの懐かしい顔に会ったよ」
■F1はフェルスタッペンに感謝しなくてはならない
そのエクレストンが見守る前で行われたサンパウロGP決勝では、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、今季のドライバーズランキング2位となることを目指すチームメートのセルジオ・ペレスを前に出すように指示を受けたものの、これを拒否するというシーンがあり、そのことでレース後にはフェルスタッペンに対する批判の声があがっていた。
また、2年連続でF1チャンピオンとなったフェルスタッペンに対しては、レッドブルが2021年にバジェットキャップ(チーム予算上限)違反を犯していたことが明らかとなったことで、ルイス・ハミルトン(メルセデス)から2021年の王座を盗んでいたのだという批判もソーシャルメディア上に見られるようになっている。
フェルスタッペンの母国オランダのメディアからそうした件について質問されたエクレストンは、次のように答えた。
「F1はマックス・フェルスタッペンに感謝するべきだよ」
「マックスはレーサーなんだ」
「彼は自分のやるべきことをやっている。彼はただレースをするだけだ。ファンはずっと、ああいうドライバーを見たかったんだ」
■F1オランダGP復活もフェルスタッペンのおかげ
エクレストンはさらに、フェルスタッペンがオランダでのF1人気を復活させ、それがF1オランダGPの復活につながったことも評価できると考えているようだ。
「オランダは彼のことをとても誇りに思っているし、みんなが彼を応援している。それがF1がザントフォールトに戻ってきた唯一の理由だよ」
そう語ったエクレストンは、微笑みを浮かべながら次のように付け加えた。
「私は最近の2回は行っていないが、少しはあそこが改善されているといいんだけどね。そうじゃないと、あまりよくないだろうからね」
■マシンさえよければフェルスタッペンは勝ち続ける
また、現在25歳のフェルスタッペンがこれからもF1を支配する時期が続くと思うかと尋ねられたエクレストンは次のように答えている。
「それは彼のマシン次第だ。だが、レッドブルがこのままうまくやり続ければ、彼が勝ち続けられない理由はないだろう」
最後に、フェルスタッペンが、現在ミハエル・シューマッハとハミルトンが持つ通算7回のF1ドライバーズタイトル獲得という記録を破ることができると思うかと尋ねられたエクレストンは、次のように答えた。
「さあね。私はそれを期待しているよ」。