アウディは、今週末のF1ベルギーGP(28日決勝)に先立ってスパ・フランコルシャンで行われた記者会見において2026年からパワーユニット(エンジン)サプライヤーとしてF1参戦を開始することを発表した。
フォルクスワーゲングループに所属するアウディのマルクス・デュエスマン経営委員会会長は、記者会見において参戦を決めた理由について次のように語った。
■DNA、開発実験場、持続可能性
「モータースポーツはアウディのDNAにとって不可欠な要素だ。F1は、アウディブランドにとってグローバルな舞台であると同時に、非常にチャレンジングな開発実験場でもある。高性能と競争の組み合わせは、常に我々の業界における革新と技術移転の原動力となっている」
「新しいルールが導入されることで、我々が参加するには今が最もよい時期だ。結局のところ、F1とアウディはいずれも、明確なサステナビリティ(持続可能性)の目標を追求しているのだ」
また、アウディの技術開発担当取締役であるオリバー・ホフマンも次のように語っている。
■姿を変えつつあるF1をサポートし、技術開発部門との相乗効果も期待
「2026年にこのシリーズ(F1)がサステナビリティに向けて大きな技術的飛躍を遂げることを考えれば、我々は新たなF1について語ることができる。F1は姿を変えつつある。そして、アウディはこの旅を積極的にサポートしていきたいと考えている。我々のF1プロジェクトとアウディの技術開発部門が密接に連携することで、相乗効果も期待できるだろう」
アウディによれば、これまでにモータースポーツのメーカーやチームの要職を歴任し、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)で3年間にわたってセーフティディレクターを務めていたオーストラリア出身のアダム・ベーカーがアウディのF1プロジェクトをCEO(最高経営責任者)としてリードしていくことになるという。
アウディは、2026年からどのチームにパワーユニットを供給することになるのかなどといった詳細については今年いっぱいに決定し発表するつもりだとしているが、うわさでは、スイスにファクトリーを構えるザウバー(現アルファロメオ)の株式を取得し、自らのワークスチームをひきいてF1を戦うことになるのではないかと言われている。