フォルクスワーゲン傘下にあるドイツの自動車会社アウディは26日(金)、今季のF1第14戦ベルギーGP(28日決勝)の舞台となるスパ・フランコルシャンにおいて記者会見を行い、2026年シーズンからF1世界選手権にパワーユニット(エンジン)サプライヤーとして参戦することを正式に発表した。
2026年に新たなF1パワーユニットレギュレーションが導入されることを受け、以前からフォルクスワーゲングループに属するアウディとポルシェがそれぞれF1に新規参入する計画であることは伝えられていた。
そして、今月になって2026年のパワーユニットレギュレーションが正式に承認されたことで、ついにアウディの参戦が正式に発表されたものだ。
■参戦決定の鍵はより環境に優しいエンジンの実現
2026年から導入が計画されている新世代F1パワーユニットは、現行のハイブリッド方式1.6リッターV6ターボという基本構造を維持しつつ、電気出力のさらなる向上と100パーセント持続可能な合成燃料を使用することが特徴となり、アウディによるとこの2点が参戦を決定する鍵となったという。
アウディは、今回の参戦発表リリースの中で、F1では2023年からパワーユニットメーカーにもコスト上限ルールが適用されることや、2030年までにネットゼロカーボンを達成することを目標として掲げていることを評価・支持しているとしている。
■アウディの参戦はF1の方向性の正しさを示すものだとステファノ・ドメニカリ
2014年シーズン序盤までフェラーリのチーム代表を務め、その後フォルクスワーゲンに所属してF1参戦の可能性を検証する業務などに従事していた経験を持つ現F1最高責任者(社長兼CEO)のステファノ・ドメニカリは、次のように語っている。
「アウディをF1に迎えることができるのを嬉しく思っている。彼らは象徴的な自動車ブランドであり、パイオニアであり、技術革新者だ。これは、我々のスポーツにとって重要な瞬間だ。我々が成長を続けるグローバルなプラットフォームとして大きな強みを有していることを強調するものだからだ」
「また、これは2026年に計画されている持続可能燃料によるハイブリッドエンジンへの移行が、自動車セクターにおける将来のソリューションであることを大きく認識させるものでもある。我々全員が、グリッドにアウディのロゴが並ぶのを楽しみにしている。アウディの計画については、追って彼らから詳細を聞くことになるだろう」
■年内により詳細な計画を発表
アウディは、2026年にどのチームと手を組むことになるのかといったことについては、年末までに決定し、発表する予定だとしている。
うわさでは、アウディはスイスにファクトリーを構えるザウバー(現アルファロメオ)の株式を取得し、2026年からは自らのワークスチームとしてその運営に関わることになると考えられている。