最近、2020年シーズンまでルノーF1チームを率いていたシリル・アビテブールがレッドブルに加わることになりそうだという報道が行われたが、レッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)がこの噂を強く否定した。
噂によれば、ホンダのF1に伴って今年から自分たちでエンジン製造を行っていくことになるレッドブルが、そのエンジン製造部門として立ち上げたレッドブル・パワートレインズの責任者としてアビテブールを起用することを考えており、すでにチーム代表のクリスチャン・ホーナーとマルコがアビテブールとの話し合いを行ったようだと言われている。
しかし、マルコはこの噂に関して『f1-insider.com』に次のように語った。
「このばかげた話がどこから出てきたのか、本当に分からないよ」
「まったくナンセンスだ。ベン・ホッジキンソンが我々のエンジンプロジェクトのリーダーを務めることになる。彼ができるだけ早く作業を開始できることを我々は望んでいるよ」
マルコが言及したホッジキンソンは、レッドブルがメルセデスから引き抜いた人物だ。ホッジキンソンはレッドブル・パワートレインズのテクニカルディレクターを務めることになっているが、メルセデスとの契約上の制約により、レッドブルで実際に業務が開始できるのは2023年になるのではないかと言われている。
実際のところ、レッドブルは2018年まで長期間にわたってルノーからエンジン供給を受けていたが、ハイブリッド方式の現行F1エンジンが導入された2014年以降はメルセデスが大躍進を見せた一方で、ルノーエンジンは開発に出遅れてしまっていた。そして、レッドブルとルノーの関係も悪化の一途をたどり、ホーナーやマルコとアビテブールが公然と相手を非難し合うといった事態にまで発展していた。
そうした経緯を考えれば、レッドブルが2020年シーズン後にルノーを更迭されたアビテブールを迎え入れる可能性はあまりないと考える方が自然かもしれない。