ダニエル・リカルド(マクラーレン)が、目標としているF1タイトル獲得を実現できないままキャリアを終える可能性もあると認めた。
オーストラリア出身の31歳のリカルドだが、F1デビューしてから今年で11年目を迎えている。だが、レッドブルの育成ドライバーとして頭角を現したころには将来のF1チャンピオンだとも言われていたものの、2018年シーズン末にレッドブルを離脱して以降はレースで勝利することも難しい状況が続いている。
2019年にルノーに移籍したリカルドは、今季からマクラーレンで戦っているものの、新しいチーム、新しいF1マシンにまだ馴染むことができないのか、ここまでの4レースで着実にポイントは稼いでいるものの、チームメートである10歳年下のランド・ノリスの41ポイントに対して24ポイントと、現時点ではかなり大きな差をつけられてしまっている。
リカルドは確かにまだマクラーレンのF1マシンにうまく適応することができていないのだと次のように語った。
「マクラーレンは昨年のルノーとはものすごく違っているんだ。その違いはレッドブルとルノーの違いよりももっと大きいよ」
「一番大変なのは、長年やってきた自分のドライビングスタイルを変えなければならないことだよ」
だが、前戦F1スペインGPで初めてノリスよりも前でチェッカーフラッグを受けたとは言え、現時点ではメディアにはすでにF1での全盛期を過ぎたのではないかというようなコメントも多く見られるようになっている。こうした見方についてどう思っているかと尋ねられたリカルドは次のように答えた。
「彼らが何を言おうが書こうが、僕は気にもとめていないよ」
「だけど、どこかの時点でもっと手厳しいコメントが出てくるだろうね」
「でも、自分に対する一番の批判者は僕自身なんだ。1つや2つの記事で何を書かれようが僕はそれで動揺したりはしないよ」
「気になるとすれば自分の調子がよくないときだけさ。だけど、そんなときはザック(ブラウン/チームCEO)やアンドレアス(ザイドル/チーム代表)と話をするのが助けになるよ。彼らにはこう言われたよ。『リラックスしろよ。シーズンはまだ始まったばかりだ。君に才能があるのは分かっているから』とね」
「こういう状況のときは自分自身を信じることが必要なんだ。(F1に来る)前はどんなレースでも勝利を収め、タイトルをとってきたし、常に解決策を見つけ、それを実行できていた」
「もちろん、早くその域に達したいと思っている。でも、心配はしていないよ」
そう語ったリカルドだが、F1チャンピオンになるという目標を達成することなく自分のF1キャリアが終わってしまう可能性も否定できないようだ。
「それを恐れていると言うつもりはないよ」
フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』にそう語ったリカルドは次のように続けた。
「僕は自分の能力を疑ったことはないけれど、これほど競争の激しいスポーツには保証がないことも十分によく分かっているよ」
「自分の目標は変えていないけれど、確かにF1をあと10年続けるのは無理かもしれない。自分にはまだ自信があるけれど、タイトル獲得に家を賭けられるほどではないよ。このスポーツの仕組みを分かっているからね」