ピレリが2016年に導入を検討している「スーパー・スーパーソフト」と称される新タイヤに関し、そのテストが実施されるのかどうか、いまだ不透明な状況だと伝えられている。
最近、ピレリでは来季から現行の4種類のコンパウンドに加え、市街地サーキット専用となる5種類目のタイヤ導入を検討していることが明らかとなっていた。
その際、ピレリのモータースポーツ責任者であるポール・ヘンベリーは、次のように語っていた。
「現在市街地サーキットで使用されているソフトタイヤに注目すべきだ。モナコ、カナダ、シンガポールなどではかなり軟らかいコンパウンドが必要とされるし、現在使われているスーパーソフトよりもさらに軟らかいものが必要だ」
■いまだテスト実施の合意に至らず
だが、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によれば、ピレリではできる限り早くそのタイヤのテストを行いたいと考えているものの、それがいつどこで可能となるのかについては、現時点ではまだF1チーム全体の合意を得るに至っていないという。
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、前戦F1ハンガリーGP(第10戦)の金曜フリー走行において30分だけこのタイヤのテストを行うことや、最終戦のアブダビGP(11月29日決勝)の翌週に特別にタイヤテストの日程を組むよう提案が行われたが、いずれもチームの賛成票は得られなかったと報じている。
■今季中にシンガポールでテストの可能性も
同誌では、これ以外の代案としては、小規模F1チームたちの協力を得て、シンガポールGP(第13戦/9月20日決勝)のフリー走行時にそのタイヤのテストを行うということも考えられるとしている。
だが、2010年から2013年まで4年連続でF1チャンピオンチームとなったレッドブルでは、この“スーパー・スーパーソフト”タイヤのテスト実施はもう少し先伸ばしにし、来年1月にセパン(マレーシア)で特別テストを実施することを提案しているという。
しかし、この案に関しては、小規模チームたちは賛同しないと見られている。マレーシアまでF1カーやスタッフを送り込まなくてはならないため、余分なコストが発生してしまうためだ。
■雨用タイヤのテストは来年1月実施で合意
一方で、やはりピレリがかねてより要望していた雨用タイヤの特別テストに関しては合意に至ったと報じられている。
この雨用タイヤのための特別テストは、来年の1月25日(月)と26日(火)の2日間、フランスのポール・リカール・サーキットで催されることになるという。もちろん、雨用タイヤのテストであり、実際に雨が降らなかった場合には、人工的にウエット状態を作ってのテストとなる予定だ。