4月1日のエイプリルフールに、アウディジャパンが外食産業に参入を発表した。東京・銀座にフラッグシップとなる第一号店において自信を持って投入するメニュー、その名も『クワトロ』だ。
今後、寿司屋のメニューには、中トロ、大トロに加え、プレミアム寿司として「クワトロ」を注文する客の姿が多くみられるだろう。
世界でも「ツナ」として大人気の寿司ネタ「マグロ」だが、(詳しく調べてないが)長い歴史を見ても、(おそらく)トロ、中トロ、大トロという3つのラインナップしか存在しなかった(はずだ)。
そんな当たり前の日本の歴史と食文化に、誰もが違和感を抱かなかった(はずだ)が、グローバル化が急速に進む現代においては、世界無形文化遺産ともなった和食を代表する「寿司」でさえも進化が求められているようだ。
海外ではカリフォルニアロールなど不思議な寿司が人気を博しているが、この超大型プレミアム寿司はまさに外人の腹を満たすのに十分なサイズとビジュアルなのかもしれない。
食事の写真を撮るのが大好きな日本人を不思議そうに思っている外人も、きっとこの「クワトロ」の美しさと迫力を目にしたらSNSでシェアしないわけにはいかないだろう。
アウディによると、プレミアムカーブランドとして育んできたデザイン哲学を、寿司にも存分に発揮。今回の新しい握り寿司「クワトロ」は、シャープな直線と滑らかな曲線が織りなす絶妙のコンビネーションが、見る人の目を楽しませてくれるとのことで、上質なクルマの塗装を思わせる艶と深みも、その特徴だという。
2014年度内に寿司屋アウディ(店舗名未定)は500店舗が出展される予定で、おそらくここでしか食べられない「クワトロ」に長蛇の列ができることは容易に予想され、一大ブームを巻き起こしそうだ。
一方、本業の自動車はといえば、全世界で500万台以上を生産、独自のフルタイム4WDシステム「quattro(クワトロ)」を展開している。あらゆる路面状況で安定した走行性能を発揮する「quattro(クワトロ)」は、WECやル・マンなどモータースポーツの世界でも数多くの実績を残している。
自動車のコマーシャルで「最大斜度37.5度のスキージャンプ台を駆け上る」のにちなみ、寿司ネタ「クワトロ」を注文すると、斜度37.5度の専用寿司下駄に乗せて提供されるというから驚きだ。この一見無駄とも言えるような迫力ある演出こそ、まさにプレミアム寿司にふさわしいのかもしれない。自動車メーカーとしてのカテゴリーを超え、全く異業種であるフード産業に参入するアウディの新たな挑戦に期待したい。
なお、寿司「クワトロ」の生みの親やデザイナー、クワトロ専門職人の有無、詳しいスペック(産地、厚み)などは公開されていない。
アウディ寿司『クワトロ』特設ページによると、アウディ販売店でオリジナルAudi湯呑がもらえるそうだ。TopNews編集部にも送られてくることを期待するが、湯呑みをもらった人は是非ご一報いただきたい。