レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコが、シーズン開幕前にマーク・ウェバー(レッドブル)について行ったコメントは、決してウェバーに対する批判のつもりではなかったと主張している。
レッドブルのオーナーであるディートリッヒ・マテシッツの右腕的存在であると考えられているマルコだが、2013年シーズンの開幕前に、ウェバーについて、1シーズンを通じて「調子を維持できない」や、「プレッシャーに弱いところがある」といった発言を行った。
ウェバーはこれに対して、自分が「マルコの構想には含まれていない」ことは明らかだと言い返していた。
マルコによる明らかな批判は、F1マレーシアGPで起こった「マルチ21」事件でさらに大きな意味を持つものとなったかもしれない。マレーシアでチームからの指示を無視したのはセバスチャン・ベッテルだったという事実にもかかわらず、ベッテルのチームメートであるウェバーの立場のほうが危うくなってきているように見える。
だが、マルコはスペインの『El Confidencial(エル・コンフィデンシアル)』に対し、シーズン開幕前のウェバーについてのコメント騒ぎは誇張されたものだったと主張し、次のように説明している。
「まず、そのインタビューはちょうどクリスマスのときにドイツで行われたんだ。つまり、それからほかの言語に翻訳されたわけだ」
「私は、なぜベッテルはタイトルを獲得できて、マークはだめなのか、と尋ねられた。だから、わたしはいくつかの事実をあげて、違いを説明しようとしたんだ」
「私はそれがマークに対する批判として受け止められるなんて考えていなかったよ」
「マークはずっと評価の高いドライバーだったし、私も常に彼について、いいクルマを手にしたときには彼が勝者となると言い続けてきた」
「だが、ウェバーがいいクルマを手にするときは、彼には気の毒だが、ベッテルも同じクルマを持っていることになる。だから、それはウェバーにとって心理的にとても厳しいはずだ」
「そういうわけだったのに、その雑誌は私がマークに対して悪意を持っているかのごとく報じたんだ」
マルコがウェバーに関するコメントを行った「その雑誌」とは、レッドブル内部で発行されている機関誌「レッド・ブリテン」のことだ。