F1を統括するFIA(国際自動車連盟)のジャン・トッドは約1ヶ月前、F1において大きな課題となっているコスト削減の問題から逃げてしまったように見えていた。
多くのF1チームはFIAに対し、現在紳士協定として存在する「リソース制限協定」がほとんど守られていないことについて、そこに統括団体として介入し、有効に作用するようにするべきだと申し立てている。
これに対し、トッドは3月に、「それはわれわれ全員がそろって同意する必要のあるものではない」と発言し、さらに次のように続けていた。
「FIAは競技ルールの規制機関なんだ。もし彼らがコスト削減を望まなければ、それまでだ。チームたちが望まないことを行うのはわれわれの責任ではない」
かつてF1界に大きな力を持つフェラーリのチーム代表を務めていたこともあるトッドだが、この件に関しては、近年のスポーツ界で積極的な活動を行っているレッドブルの支持を得るのは間違いないだろう。レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは今週、現在のリソース協定でさえ破棄されて欲しいと語っている。
しかし、トッドはドイツ語ウェブサイト『Spox』に対し、次のようにコメントした。
「私はこれまで誰かがコストの削減に反対だと言っているのを聞いたことはない」
「もしわれわれが理にかなった提案を行えば、みんなも満足できると思う」
「全チームがF1を続けられるようにするためには、コスト削減は必須だ」
「妥協点を見いだすことが重要だ。FIAは商業権の所有者、そして各チームと協定を結ばなくてはならないからね」
トッドは、全体で30パーセントのコスト削減というのは理にかなった目標だと語っている。