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“やっかいな”インドGPに挑むF1界

2012年10月23日(火)9:43 am

昨年から開催が始まったばかりのインドGPだが、各国をめぐるF1のチームや関係者の間では、すでに1年の中でもっとも“やっかい”な開催地としてとらえられている。

F1の本拠地であるヨーロッパから遠く離れた国々でのレースが多い後半戦も、残り4レースとなった。今週末の舞台はインドだが、各F1チームはインドの通関事情に神経をとがらせている。

『Asian Age(アジアン・エイジ)』によると、チーム関係者は直前にヨーロッパから飛び立った部品が空港で“引っ掛かる”かもしれないと、心配しているという。

さらに、ビザの事情も悩みの種のひとつだ。それが原因で、昨年のインドGPでは数名のジャーナリストが現地に行くことができなかった。そして今年も、レースが行われる週末が目前に迫っているなか、ビザの発給を待たされている関係者がいる。

『IANS(イアンズ)通信』は「われわれは前回、衝撃を受けた」というF1の統括団体のFIA(国際自動車連盟)の発言を取り上げている。

「今年はずいぶん良くなったとはいえ、問題はまだ残っている。他のアジアの国々で通関許可を得るのは、インドよりもはるかに早い」と匿名の役員は付け加えた。

FIA関係者は、中国がF1のカレンダーに登録された2004年にも同様の問題が発生したと指摘しているが、「今は口論など一切ない」とも話している。

しかし、インドで異なっている点は、グランプリの開催が100パーセント民間からの財源であるというところだ。政府から協力はわずかである一方、主催者団体のジェイピーは毎年インドのスポーツ振興基金に寄付を行っている。

インドのモーターレース会の会長であるビッキー・チャンドックは「われわれは如何なる政府の所有物も使用していない」と話し、「通関手続きの許可を得るのに長い時間が掛かることは分かっている」と主張した。

「主催者団体は一時的な輸入税を支払う準備ができている。彼らが求めているのは、スムーズな通関許可だけだ」とチャンドックは付け加えた。

マクラーレンのテクニカルディレクターを努めるパディー・ロウは、「通関手続きの側面では、インドGPが1年で一番やっかいなレースだ」と認めている。

フェラーリのスポーティングディレクターのマシモ・リボラもその意見に「それは事実だね」と同調している。

「インドに追加の発送が出ないように、ファクトリーでできる限りのことをやろうとしている。追加で発送したものがサーキットに届かないリスクがあるからね」

「それに、仮にそこに着いたとしても、次のレースにそれを持って行けるかも分からない。だから、ちょっとしたギャンブルだよ」とリボラは付け加えている。

F1は、さらにもう2つの点でインドに不安を抱えている。それは交通渋滞と食あたりだ。

マクラーレンは昨年、渋滞に巻き込まれずにすんだが、今年はブッダ・インターナショナル・サーキット(インドGP開催サーキット)の近くに滞在すると、マクラーレンのチーム代表であるマーティン・ウィットマーシュは『Reuters(ロイター)通信』に語った。

さらに、昨年はパドックビルの半分が停電に見舞われる問題もあった。

「パッドックのメンテナンスのために、たくさんの努力を行ったと聞いている。だから、今年はわれわれの設備が稼働してくれることを願っているよ」とウィットマーシュは付け加えた。

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