エンジニアたちが慌ただしく駆けずり回るピットレーン。それを横目にトップチームの面々が2012年シーズンのピレリタイヤは困ったもんだ、なんて思っているとしたら?
これに対し、それは「単なる言い訳に過ぎない」とピレリ側は反論する。というのも、今シーズンはここまでザウバーをはじめとする中堅チームがコンスタントに表彰台争いを繰り広げているからだ。
レッドブルのモータスポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは次のように認める。
「ザウバーは、どのレースにおいてもタイヤをよく理解しているようだ」
ザウバーのチーム代表ペーター・ザウバーは、ピレリタイヤの問題ではないとして、ドイツ紙『Bild(ビルト)』へ次のように語った。
「要は、わたしたちがクルマをよく理解しているということだよ」
「つまり、タイヤの使い方を知っているということさ。非常に暑かったバーレーンを除いて、これまで特に目立った問題も出ていないしね」
ザウバー代表は「どんな条件下でもチームは優勝を狙える位置にあるなんておこがましい」と謙遜(けんそん)する。
一方で、今シーズン表彰台に2回上がっているセルジオ・ペレス(ザウバー)は、さらなる高みを目指している。3位になったカナダGPで味わった今季2度目のシャンパンの味について聞かれ、こう答えた。
「まだまだ(シャンパンを)味わいたいよ」
「2位と3位をとったあとに目指すのは、優勝しかない」