ポルシェ、PHVのスーパースポーツ「918スパイダー」のプロトタイプ完成

2012年05月17日(木)5:44 am

ポルシェが開発を進めているプラグインハイブリッドのスーパースポーツカー、ポルシェ918スパイダーの初期型プロトタイプが完成。ロードテストが開始された。

918スパイダーは、2013年9月末からの生産が計画されており、同年の年末までには顧客へのデリバリーが開始される見通し。ポルシェの研究開発センターで最高責任者を務める取締役のヴォルフガング・ハッツは、「私たちが918スパイダーによって行おうとしているのは、ドライビングプレジャー、効率性、パフォーマンスの再定義です」と話している。

このプロトタイプは、かつてのレーシングカーであるポルシェ917を思い起こさせる特徴的なスタイリングを持ち、918スパイダーの開発が最終的な仕上げの段階にあることが示されている。現時点の大きな目標は、洗練された個々の駆動コンポーネントを調和させることだという。

フロントアクスルを駆動する電気モーターと、リアホイールを駆動するエンジンおよびもうひとつの電気モーターは、各種の作動モードを開発するうえで全く新しい要件をポルシェに突きつけた。こうした状況を受けてハッツは、「それらはこの車にとって非常に重要なコンポーネントであるため、私たちは自らが持っている専門知識や技術、そして革新性を追求していく能力のすべてをつぎ込んでいるのです」と語った。

このスーパースポーツカーは、プラグインハイブリッド車として設計されたモデル。レーシングカーと同等の動力性能を誇る918スパイダーの最高出力は770PS以上を発生する一方、走行距離100kmあたりの燃料消費量は約3リッターに抑えられている。

ポルシェ918スパイダー
ボディーシェル ・2シータースパイダー
・カーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)製のモノコックボディおよびインターロックユニットキャリア
・2ピース構造タルガルーフ
・固定式ロールオーバー・バー
パワートレイン ・パラレル方式のフルハイブリッドシステム
・4.6リッターV型8気筒ミッドシップエンジン
・ドライサンプ潤滑システム
・ハイブリッドモジュール(電気モーターおよびデカプラーを装備)
・電気モーター(デカプラーおよびフロントアクスル装着型ギアユニットを装備)
・エネルギー回生システム
・4系統の冷却システム(モーター/トランスミッション/バッテリー用)
・サーマルマネージメントシステム
出力 ・570PS以上(V8エンジン)
・最大90kW(リアアクスル用ハイブリッドモジュール)
・最大80kW(フロントアクスル用電気モーター)
・770PS以上(総出力)
サスペンション ・ダブルウィッシュボーンサスペンション(フロント)
・フロントアクスル用エアリフトシステム(オプション)
・電動パワーステアリング、マルチリンクサスペンション(リア)
・電動アダプティブリアステアリングシステム
ブレーキシステム ・高性能ハブリッドブレーキシステム
・アダプティブエネルギー回生システム
・セラミックブレーキシステム(PCCB)
エネルギー供給 ・リチウムイオンバッテリー
(初期公称容量:6.8kWh、最高出力202kW、
家庭用電源対応のプラグインチャージャー付)
性能 ・最高速度325km/h以上
・電気モーターのみ150km/h以上
・0-100km/h加速3.0秒以内
燃費(NEDC) ・合計3.0l/100km以下
CO2 排出量 ・合計70g/km以下
航続距離 ・電気モーターのみ25 km以上

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