HRTは2012年のレースドライバーとして契約を交わしたナレイン・カーティケヤンが、シーズンの全戦で出走するとは保証していないと明かした。
今季とはチームオーナーも運営体制も異なっていたものの、HRTは2011年シーズンも開幕当初はカーティケヤンをドライバーに起用していた。しかし、カーティケヤンはシーズン中盤からレッドブルからの支援を受けているダニエル・リチャルド(トロ・ロッソ)にシートを奪われた。
巨額のスポンサー資金をねん出したカーティケヤンは、今シーズンから再びF1の舞台に戻って来ることができた。しかし、だからと言って2012年に開催される20戦のレース全てに出走できるという保証はおそらくないだろうとも報じられている。
「現時点での構想としては、全てのレースに出てもらう予定だ。だが、F1では保証されているものなど何もない。自分のポジションを賭けて毎レース戦わなければならない。しかし、成立している契約の通り、カーティケヤンとペドロ(デ・ラ・ロサ/HRT)には全てのレースで戦ってもらうだろう」とHRT代表のルイス・ペレス・サラは『Indo Asian News Service(インド・アジアン・ニュース・サービス)』に対して語っている。
カーティケヤンのチームメートとなるデ・ラ・ロサは先週のへレスでのシーズン前合同テストで、他のライバルチームたちが続々と2012年仕様の新車を持ち込んでいたのに対し、2011年型のマシンでテストを重ねていた。その一方で、HRT期待の2012年の新車はFIA(国際自動車連盟/F1の統治団体)が義務付けている、衝突時の安全性を確認するために行うクラッシュテストの2項目で承認を得ることができなかった。これによってHRTは来週予定されているバルセロナでの第2回目のシーズン前合同テストに参加する場合、2011年のクルマで走らなければならない。
「われわれは新しいクルマと新しいチームでシーズンに臨む。これはスタート地点は他のチームよりも少し後ろになってしまうことを意味している。しかし、われわれがやっていることは“急がば回れ”なんだよ。2歩前進するために、今は敢えて1歩後退しているところだ。シーズンを通して徐々に成長していくことがわれわれの目標だ。もしマルシャの前に立つことができたら満足だ。そしてケーターハムに近づくことができたら、大成功だ。だが、最初の目標は物事を進展させ、信頼性を高め、シーズンが進むにつれパフォーマンスを向上させることだ」とサラ語り、遅れは生じているものの、チームは地に足が着いた状態であると強調した。