2016年のF1チャンピオンであるニコ・ロズベルグは、レッドブルが2024年もセルジオ・ペレスを継続起用する方針を変えていないのは、ほかにマックス・フェルスタッペンのチームメートを務めるに相応しいドライバーがいないためだと考えているようだ。
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■5戦を残してフェルスタッペンのタイトルが確定
9月30日(土)に26歳の誕生日を迎えたばかりのオランダ人ドライバーであるフェルスタッペンは、ちょうどその1週間後となった今月7日(土)に行われた今季のF1第18戦カタールGPのスプリントで2位となり7ポイントを獲得。
これにより、ドライバーズランキング2番手に位置しているチームメートのペレスが2023年のドライバーズタイトルを獲得する可能性が完全に消えたことから、フェルスタッペンの3年連続でのタイトル獲得が確定している。
■ペレスのシート喪失の噂に拍車?
現在、そのフェルスタッペンに次ぐランキング2番手にいるとは言え、先週末も10位で1ポイントを獲得するのがやっとだったペレスとフェルスタッペンの差は現時点ではなんと209ポイントにも開いてしまっている。
そのペレスは2024年までレッドブルと契約を結んでいるものの、レッドブルがその契約解除に動く可能性もあるという噂がささやかれ続けていたが、ここへきてそれがさらに強まってきているのも事実だ。
■ペレスとフェルスタッペンの差は“極端”だとロズベルグ
こうした中、2016年にチームメートのルイス・ハミルトンに打ち勝ってF1チャンピオンとなった実績を持つ38歳のロズベルグは、ペレスについて次のように語った。
「もしも今、選択肢(となりえるドライバー)が市場に出ていたら、彼は代えられていたと思うよ」
「だけど、今の彼はあまりにも離れすぎている。極端なほどにね」
■ペレスの代役候補がいないという現実も?
しかし、ロズベルグは、レッドブルにとって現時点ではペレスの代わりが務まると確信できるドライバーがいないことが問題であり、結局のところ2024年もペレスを続投させるしかない状況なのだろうと考えているようだ。
ロズベルグは、現在負傷欠場中のダニエル・リカルドや、その代役としてかなりいいパフォーマンスをアルファタウリで示して見せたリアム・ローソンの名前をあげながら、次のように続けた。
「今すぐリアム・ローソンをレッドブルに乗せることはできない。そうすればどうなるか、誰にもわからないからだ。それはあまりにもリスクが高すぎるだろう」
「ダニエルでさえ一定のリスクがあるだろう。彼がやれるのかどうか、まだそれほど見えていないしね」
■契約が守られるかどうかはペレス次第だとレッドブル首脳
だが、レッドブル首脳であり、レッドブルとアルファタウリのドライバープログラム責任者としても知られるヘルムート・マルコは、2024年までの契約があるとは言え、2024年もペレスがフェルスタッペンのチームメートを務めることになるのかどうかはまだわからないとほのめかしている。
「現時点での差は大きすぎる。今やF1選手権2位の座も危険な状態にあるのだからね」
母国オーストリアの放送局『ORF』にそう語った80歳のマルコは、ペレスとの2024年の契約に言及しながら、次のように続けている。
「概して、我々は契約を履行したいと思っている。それは2024年までだ。そして、それは完全に今後の彼次第だ」
「しかし、その場合、アルファタウリには3人の比較的優秀なドライバーがいる」
リカルド、ローソン、そしてもちろん角田裕毅を指してそう語ったマルコは、次のように付け加えている。
「これからどのように進展していくか様子を見ることにしよう。だが、我々としては、チェコ(ペレスの愛称)は再び以前の強さを取り戻すだろうと考えているよ」。