レッドブルは2022年F1シーズンの残り6レースに向けて、新たに開発した軽量シャシーを導入することはないようだ。
■新たな軽量マシンを開発中だとうわさされていたレッドブル
2022年F1シーズンが夏休みに入る前には、レッドブルがシーズン後半に向けて大きく重量を削減した新たなモノコックとシャシーを開発しており、統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が義務づけているクラッシュテストを受け直すことになるようだとのうわさがささやかれていた。
そうしたうわさに対して、フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットは、今年の厳しいバジェットキャップ(チーム予算制限)のもとでそれほどの開発を行うことができるとは思えないと疑念を示していた。
だが、最終的にはレッドブルが今季の残り6レースに向けて軽量マシンを投入することはないようだ。
■チーム代表が新たな軽量マシン投入を否定
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、今季のF1第16戦イタリアGPが開催された先週末のモンツァで次のように語った。
「我々は特別な軽量シャシーを使うつもりはないよ」
「そんなものがどこから出てくるのか、私は知らないよ」
だが、レッドブルの2022年型F1マシンは、今年導入された新たな技術レギュレーションに定められた最低重量を大きく上回っており、それが最大の欠点になっていたのは事実だ。
その一方で、今シーズン序盤にレッドブルをしのぐパフォーマンスを発揮していたフェラーリの2022年型マシンは、やはり最低重量をオーバーしてはいるものの、レッドブルのマシンよりも10キログラム以上軽いと考えられていた。それゆえ、レッドブルはこれまでずっとマシンの重量を削るための努力を続けてきていたわけだ。
■すでにレッドブルF1マシンの重量はフェラーリとほぼ同等?
しかし、最近F1パドックでささやかれているうわさによれば、現在のレッドブルF1マシンは最大のライバルであるフェラーリとほぼ同じレベルにまで減量することに成功しており、現時点ではルールに定められた最低重量798キログラムを2キログラムほど上回っているに過ぎないという。
2021年のF1チャンピオンであり、今季も現在フェラーリのシャルル・ルクレールに116ポイントの差をつけているマックス・フェルスタッペンも、レッドブルがここまでシーズンを通してマシンの重量問題に対応してきたことを認めている。
「マシンはすごく重量オーバーだったんだけど、おまけにそれはマシンの中の間違った場所にあったんだ」
そう語り、シーズン序盤のレッドブルF1マシンは単に重すぎただけでなく、重量配分の問題もあったのだと示唆したフェルスタッペンは次のように付け加えた。
「すごくアンダーステアが多くてフロントがロックしやすかったのはそれが原因だったんだ」