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「マイケル・マシを呼び戻せ!」セーフティカー先導で終わったF1イタリアGPのレース運営に批判の嵐

2022年09月13日(火)18:58 pm

ロシアの『Match TV(マッチTV)』でF1解説者を務めるアレクセイ・ポポフが、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は昨シーズンまでF1レースディレクターを務めていたマイケル・マシを復職させるべきだと主張した。

■セーフティカー先導でレースを終えた今年のF1イタリアGP

先週末にモンツァ・サーキットで行われた今季のF1第16戦イタリアGP決勝は、53周で行われるレースが46周目を迎えたところでダニエル・リカルド(マクラーレン)のマシンにトラブルが発生。リカルドはマシンをコース脇にとめ、そこでセーフティカーが導入された。

このタイミングでほとんどのドライバーがピットに戻り、一番軟らかいソフトタイヤに交換。ファンは、最後に高速バトルが展開されるものと考えていた。とりわけ、その時点でトップを走るマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に差をつけられていたシャルル・ルクレール(フェラーリ)にとっては、大きなチャンスが巡ってくるはずだった。

ところが、リカルドのマシン撤去がなかなかうまく進まず、ドライバーたちはセーフティカーの後ろで周回を重ねるしかなかった。そして、結局レースはそのままファイナルラップに入り、セーフティカー先導状態でフェルスタッペンがトップチェッカーを受けた。

■今年のモンツァの結末を嘆くイタリアのメディア

この結末に対し、とりわけフェラーリの母国イタリアのメディアは怒りと失望を露わにしている。

「100周年記念のグランプリをこんな形で終わらせてはならない」

そう書いた『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は次のように付け加えた。

「これによってF1の評判に深刻なダメージを与えてしまった」

『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』も次のように主張している。

「100年レースをしてきた歴史がありながら、F1マシンが最速サーキットで行列を作っているのを目にした。なんと悲しいことだ!」

「世紀のグランプリを見るために何時間も待っていた人たちが、この困惑に直面してしまったのだ」

■F1にはマシのようなレースディレクターが必要だとポポフ

こうした中、ポポフは昨年のF1最終戦アブダビGPで同じような状況を迎えた際にルールに示された通常の手順とは異なるやり方でレースを再開させた元F1レースディレクターのマシに言及しながら次のように主張した。

「マシを批判している人たちに言っておくが、バクー(2021年のアゼルバイジャンGP)のレースを赤旗で中断させたのはマシの発案によるものだったのだ。それによってレースがリスタートされ、我々は2周の戦いが見られた」

「アブダビでの有名なリスタートは、そう、確かにそれがタイトル争いを逆転させたが、それでも彼は人々にレースを見せたかったのだ。時には、レースのために手続きを無視することもできるんだ」

「再び言うが、我々はマシを呼び戻すべきだ」

実際のところ、昨年のアブダビの一件によりF1レースディレクターを解任されたマシは、現在はFIAを離れて母国オーストラリアに戻り、国内モーターレースのトップカテゴリーであるスーパーカー委員会の会長に就任している。

一方、FIAはマシの後任としてエドゥアルド・フレイタスとニールス・ヴィティッヒを新たなF1レースディレクターに就任させており、この2人が交替でF1レース運営に関わるようになっている。

■セーフティカーの後ろでレースを終わらせてはならないとビルヌーブ

先週末のイタリアGP決勝では、2021年のアブダビとは逆にルールに定められた手順に則ってセーフティカーが運用された結果としてレースが再開できずに終わったわけだが、これに関して批判的な意見を述べているのはポポフやイタリアのメディアだけではない。

例えば、1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブは、オランダの『Formule 1(フォーミュレ1)』に次のように語っている。

「非常に高価なチケットを購入した何万人もの人々にとってはとりわけ悲しいことだったと思うよ」

「彼らはショーも見られなければ、フィニッシュも見られなかった。本当に何もなかったんだ。我々はもっと多くのことを望んでいたが、それは得られなかった」

「レースの不手際は今年もすでにひどいものだが、今回はさらにひどかったよ」

「レースがセーフティカーの後ろで終わることは絶対にあってはならないことだよ」

「赤旗を出すとか、周回遅れのクルマをすぐに追い越させるとか、もっといろいろなことができたはずだよ。時間は十分にあったんだからね」

「今回のことで、昨年はそれほど悪くなかったのだと理解できたよ。ミスはあったものの、常に、できるだけ早くレースを再開することを目指していたからね。モンツァでは、そのことは重要でないかのように見えたし、それは驚きだったよ」

■F1に必要なのはもっと柔軟なレース運営

ポポフは、モンツァのF1レースディレクターは、2021年のアブダビでの論争や規則に忠実に従う必要性があるという思いから、麻痺していたのではないかと推測している。

「(アブダビの)スキャンダルを考えると、異なるやり方をすれば奇妙なことになっていただろうね」

「彼らは自分たちのミスによって身動きできなくなっていたんだ」

そう述べたポポフは次のように付け加えた。

「彼らはマシを解任し、ルールに従うと言ったのだ。だから、違うやり方をすれば奇妙なことになるだろう。だが、私はもっと柔軟に対応する必要があると思うよ」。

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