F1レース前に行われるセレモニーのひとつとして、これまでサーキットの上空を軍用機の編隊が飛行する光景が当たり前のように見られたが、2022年以降はこれが禁止されることになった。
伝えられるところによれば、F1は2022年のシーズンを前に、「F1の持続可能性の目標をサポートする」ために今後は軍事的な飛行を許可しないことを各国のF1レースプロモーターに通知したという。
イタリアの『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』はこれについて次のように報じている。
「今シーズンから、グランプリの主催者はレースのスタート前に軍用機の展示飛行を行うことはできなくなる」
これは、表向きには、F1が今後カーボンニュートラルを目指す方針を打ち出していることから、化石燃料を大量に消費する軍用機の展示飛行を継続することは好ましくないと判断したものだとされている。
しかし、『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』では、各国の軍用機の展示飛行を認めることはそれぞれの国の軍事力アピールにつながるものであり、これを避けた方がよいとの「政治的思惑」が働いたものではないかとの推測も行っている。
なお、今後軍用機の展示飛行は禁止されるものの、持続可能性を考慮し、合成燃料を使用して飛行する航空機による展示飛行や、レッドブルがサポートしているエアロバティックススのデモンストレーション飛行などは今後も認められることになるようだ。