レッドブルとウィリアムズが、来季のF1シーズン前公式テストを中東のバーレーンで行う必要はないとあらためて主張した。
■バーレーンで2017年シーズン前テスト実施を希望するピレリ
来季からタイヤとシャシーに関するレギュレーションが大きく変わり、F1公式タイヤサプライヤーであるピレリは、これまでよりもかなりグリップ力が増すであろう幅広タイヤを供給することになっている。
ピレリとしては、その新タイヤでのテストを行うにあたっては、まだ寒いヨーロッパだけでは不十分で、より温暖なバーレーンでもテストを実施すべきだと主張している。そして、メルセデスAMG以下数チームはこの提案に賛同する意思表示を行っている。
■バーレーンまで行けばコストが増大
しかし、レッドブルとそのジュニアチームであるトロロッソ、そしてウィリアムズとザウバーの4チームはバーレーンでのテスト開催には反対の立場をとっている。その最大の理由はコスト増だ。
ウィリアムズの技術トップであるパット・シモンズは次のように語った。
「我々は中東でのシーズン前テストには断固反対だよ。それは絶対に間違っている」
■どうしてもと言うならそのコストを負担せよ
さらに、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、それほど中東でテストをやりたいのであればそのコストをピレリが負担すべきだと次のように主張した。
「ピレリがバーレーンへ行きたいというのであれば、彼らがそのコストの一部を負担すべきだよ」
レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコも、スイスの『Blick(ブリック)』に対し、「もし(バーレーンでのテストに賛成している)メルセデスが75万ユーロ(約8,700万円)を支払ってくれるなら、我々もバーレーンへ行くよ」と語っている。
ホーナーの説明によれば、「余計にかかるコストは、運送費用にもよるが、30万ポンド(約3,800万円)から70万ポンド(8,900万円)の間になる。その全額をチームに負担させようというのはフェアではないと思うね」というわけだ。
■代替案は第3戦後にバーレーンで実施
ホーナーは、こうしたコスト問題を解決する対策のひとつは、2017年のシーズン前テストは予定通りスペインのバルセロナで行い、シーズンが開始されてから4月16日(日)に決勝が予定されている第3戦バーレーンGPのあとでそのままバーレーンにとどまってテストを行うことだと次のように主張している。
「最初の4レースはまだかなり寒いだろうと思う。だから論理的な対策としてはレース後にバーレーンにとどまることじゃないかと思うよ」
ウィリアムズのシモンズもこの案には賛成だ。
「彼(ホーナー)だけがそれを提案しているわけじゃないよ」
「だが、私もそれは納得できる案だと思う。私としてはバーレーンが必ずしも理想的なテストサーキットだとは思っていないがね」
「ピレリが最初の数戦でより保守的なタイヤ選択をすれば、私は問題などないと思っている。だが、バーレーンでのテストに40万ポンド(約5,100万円)ものコストが余計にかかるのは大問題だよ」
そう語ったシモンズは、次のように付け加えた。
「恐らくメルセデスAMGとフェラーリにとってはそうでないのだろう。だが、我々の予算からすれば、それは非常に大金だからね」