カルロス・サインツ(トロロッソ)は来季ルノーへ移籍したがっていたものの、レッドブルがそれにストップをかけていたようだ。
■ルノーへの移籍に前向きだったサインツ
有名な元ラリードライバーであるサインツの父親は、母国スペインのラジオ局『Onda Cero(オンダ・セロ)』に対し、22歳の息子が本当はルノーのワークスチームからのオファーを受けたいと思っていたのだと次のように語った。
「彼(サインツ)はもう少しで(トロロッソを)去るところだったんだ。その(ルノーからの)オファーは非常に興味深いものだったし、彼も興味を持っていた。特に、3年契約だということにね」
■レッドブルが移籍を阻止していた
「だが、最終的にはレッドブルが彼を手放そうとはしなかったんだ。彼らがもう1年やって欲しいと望んだのさ」と述べたサインツsnr.は次のように続けた。
「来シーズンはレッドブルにとってはいい年になる可能性があるし、彼らとしては何かが起きたときのために誰かをキープしておきたかったんだ。そして彼らはカルロスを選んだというわけだ」
「だから、一方ではそれはいいことだが、別の面からはそうではないよ」
サインツがレッドブルの育成ドライバーであり、レッドブルとの契約下にあることは誰もがよく知っていることだが、レッドブル側が来季の契約オプションを行使し、サインツがトロロッソに残留することを望んだことでサインツのルノー移籍は実現しなかったということだ。
■サインツがトロロッソで走るのは2017年まで
サインツsnr.は次のように続けた。
「将来的には彼がもっと競争力のあるチームにステップアップすることができればいいと思っているし、そこでもう少し上位を目指して戦えるようになることを期待しているよ」
「来年がカルロスにとってはトロロッソでの最後の年になるはずだ。その場合、当然ほかのチームへ移籍することになるよ。これまで(トロロッソで)連続して4年間を過ごした者は誰もいないからね」
「ルノーのようなチームへ移籍することは重要なステップになると思っているし、将来そういうことが起きるのを期待している」
■上位を目指すにはレッドブルからの離脱が必要
1990年と1992年に2度トヨタチームでWRC(世界ラリー選手権)チャンピオンに輝いたサインツsnr.は、今後息子がより上位を目指して戦うためには、これまで所属していたレッドブルから離脱することが必要になるだろうと次のように続けた。
「レッドブルには今後3年間契約下に置かれる若手ドライバーたちがいる。だから、今後は少し難しい状況になるだろうね」
「そのうちの1人が腹を立てて去ってしまうようなことでもない限り、レッドブルへの昇格は難しくなるだろう」
レッドブルには現在、トップドライバーとしての定評を築いている27歳のダニエル・リカルドと、今季第4戦ロシアGPまでサインツのチームメートだった19歳のマックス・フェルスタッペンがおり、よほどのことがなければ当面この2人のドライバーによるラインアップが定着するものと考えられている。
サインツとしては、ライバルのフェルスタッペンと互角に戦うチャンスを得るためには、遅くとも2018年にはレッドブル以外のトップチームへの移籍を実現したいところだ。