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【レッドブル】2008年F1シーズンの結果を受けてトロロッソをナンバー1チームにしていた可能性も

2023年06月27日(火)17:10 pm

レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)によると、現在アルファタウリと呼ばれているチームが、世界的エナジー飲料メーカーである『レッドブル』が所有する2つのF1チームのうち、上位に位置づけられていた可能性もあったのだという。

■レッドブル創業者の死後初めて迎えるホームレース

今週末には2023年F1第10戦オーストリアGP(7月2日決勝)が行われるが、レッドブルリンクで開催されるこのレースはレッドブルにとって昨年10月にレッドブル創業者であるディートリッヒ・マテシッツが亡くなってから初めて迎えるホームレースとなる。

マテシッツと同じオーストリア出身である80歳のマルコは、地元紙『Osterreich(エステルライヒ)』に次のように語った。

「我々はレッドブルの100勝達成をたずさえて来る。彼はそれをすごく喜んだだろうね」

「もちろん、彼がそれを見ることができなかったのは残念だ。彼がいなければ、オーストリアGPもなかっただろう」

レッドブルリンクでは、オーストリア出身の伝説的元F1ドライバーであるニキ・ラウダが亡くなった2019年には、サーキットのコーナーのひとつを“ニキ・ラウダ・カーブ”と名付けている。だが、マルコによれば、マテシッツの名前がそういう形でレッドブルリンクに残されるというような計画はないようだ。

「私の知る限り、それはないね」

「すべては彼のためにあるべきだよ。たとえ彼がそれでいいと言うかどうか、私にはわからないがね」

「だが、間違いなく、マテシッツ・カーブとかそういうものはないよ」

■マテシッツが掲げた目標は“レースで勝利すること”

2021年と2022年にマックス・フェルスタッペンがF1ドライバーズタイトルを獲得し、チームとしても2022年にコンストラクターズタイトルを獲得したレッドブルは、2023年シーズンもここまで圧倒的なパフォーマンスでライバルチームたちを圧倒している。

だが、マルコは、マテシッツはレッドブルがこれほど強いチームになるとは夢にも思っていなかったと主張したとしている。

「いや、我々が比較的低迷状態にあったジャガー・チームを買収したときは、そういうアプローチではなかったんだ」

「ディディ(マテシッツ)は『グランプリで勝てるよう頑張ろう。それがいいと思う』と言っていたよ」

■2008年にはトロロッソをトップチームにすべきとの論争も

現在は最強F1チームとなっているレッドブル・レーシングだが、マルコによれば、現在はアルファタウリと呼ばれているチームがレッドブルの事実上のナンバー1チームとなる可能性もあったのだという。

マルコは、セバスチャン・ベッテルがトロロッソに初優勝をもたらした2008年シーズンに言及しながら、オーストリアの放送局『ORF』に次のように語った。

「トロロッソがモンツァで優勝したときには、エンジンの事情があったんだ。我々はよりパワフルなフェラーリ・エンジンをシャシーに搭載して優勝したんだよ」

「そのとき、我々にはレッドブル・レーシング(当時ルノー・エンジン搭載)が必要なのか、それともトロロッソのほうがいいチームなのかという疑問が生じていたんだ」

「当時はセバスチャン・ベッテルがドライバーだったが、我々はすでに彼と翌年の契約を結んでいたんだ」

そう語ったマルコは、次のように付け加えた。

「しかし、どちらのチームが優位に立つかについて内部で争いがあったのは確かだよ」

実際のところ、2008年にはベッテルの活躍もあり、コンストラクターズランキングではトロロッソが6位、ルノーエンジンを搭載するレッドブル・レーシングはそれに次ぐ7位で終わっており、レッドブルとしてもどちらのチームにより力を入れるべきかについて真剣に悩んでいたようだ。

だが、2009年にベッテルを迎えたレッドブル・レーシングは、一気にランキング2位に浮上。そして2010年から2013年までベッテルが4年連続となるドライバーズタイトル獲得と達成するとともに、チームとしても4年連続でコンストラクターズチャンピオンに輝いている。

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