2013年用タイヤに変更を予定しているピレリが、スケジュールの前倒しを念頭に作業を急いでいる。
先週末のF1第5戦スペインGPで4回ものピットストップを招き、パドック内外で批判が集中しているピレリ。F1プロジェクトの責任者ポール・ヘンベリーは当初、6月末の第8戦F1イギリスGPにタイヤの仕様を変更すると明かしていた。
ところが14日(火)、ヘンベリーはひとつ手前の第7戦F1カナダGP(6月9日決勝)に新型タイヤを導入すると発言している。
ヘンベリーはツイッターで以下のようにつぶやいている。「新タイヤには構造上の小変更が施される。2012年と13年の要素を組み合わせた製品となる」
ドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌のミハエル・シュミット記者は、「フェラーリやロータスへの影響を少なくするため」コンパウンド変更は小規模にとどまるが、構造は2012年型に戻ると伝えている。
「コンパウンドが発する熱を、とりわけリアタイヤで今より抑えるのが変更の目的だ」と、ヘンベリーはコメントしている。
2012年型のタイヤはコーナーでより変形しにくいため、マシンの空力に影響を与えるとみられている。
シュミット記者は次のようにいう。「マクラーレン、ザウバー、ウィリアムズといったチームにとっては朗報だ。レッドブルとメルセデスAMGも恩恵を受けるはずだ」
ヘンベリーの説明はこうだ。「われわれは恐らくスペインGPで使用したコンパウンドをキープする。変えるといっても、その規模は小さなものだ」
「アグレッシブな姿勢は貫きたい。レース展開はエキサイティングなまま、現行のタイヤでよい走りをしているチーム(フェラーリやロータス)の損にならないようにしたいんだ」
ヘンベリーは現在、2014年初頭の冬季テストを高温下の中東で行うことに同意するようチームにはたらきかけているところだ。さらに、ピレリは、テスト用に使用するF1マシンを新車にしたがっている。
「われわれが所有するルノーのマシンは3年落ちの旧型だ。今日のマシンに比べて4秒も遅い」とヘンベリーは語っている。
「ブロウン・ディフューザーの使用で、今年すでに、リア部分は2011年レベルのダウンフォースを生み出している」
「これではタイヤ開発が追いつかないよ」とヘンベリーは締めくくった。