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F1第18戦アブダビGPレースレポート

2012年11月05日(月)0:46 am

2012年F1第18戦アブダビGPが11月4日(日)、ヤス・マリーナ・サーキット(1周/5.554km)で3日目を迎え、現地時間17時(日本時間22時)から行われた決勝で、キミ・ライコネン(ロータス)が2009年ベルギーGP以来、さらにF1復帰後初めての優勝を果たした。

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レーススタート時の天候は晴れ。気温29℃。路面温度は30℃。今週末を含めて2012年F1は残り3戦。ドライバーズ選手権争いは、事実上セバスチャン・ベッテル(レッドブル)とフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)に絞られた。ポイントはベッテルの240点に対してアロンソ227点。両者とも無得点の結果だけは絶対に避けなければならない。

3日(土)のQ3で3番手タイムを出したベッテルはセッション終了直後、エンジンの様子をモニターしていたルノーから緊急連絡を受けたチームの指示により、コース上でストップ。マシンは車両保管所に戻されたが、検査用にタンクから抜き取られる燃料サンプルが規定の1リッターに足らず、ルール違反とみなされて予選失格。チームの判断でマシンは保管所から引き取られ、ベッテルはピットからのスタートとなっている。

スターティング・グリッドは、ポール・ポジションのルイス・ハミルトン(マクラーレン)、1列目2番手マーク・ウェバー(レッドブル)は変わらず。ベッテルが抜けた3番手グリッドにはパストール・マルドナード(ウィリアムズ)が収まる。以下、ベッテルを除く全車のスタート位置がひとつ繰り上がった。

タイヤはミディアム(プライム:ハード側)とソフト(オプション:ソフト側)の2種類。レース中のタイヤ交換は1回と予想される。DRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)を使用できる区間は2つ。第7コーナー後と第10コーナー後の直線となっている。

午後5時にフォーメーションラップ開始。日没は現地時間の午後5時41分だ。22番手スタートのペドロ・デ・ラ・ロサ(HRT)は、マシンが動かずメカニックに押されてピットへ。グリッドに整列後、シグナルが消えるとルイス・ハミルトン(マクラーレン)が好スタート。ウェバーはけり出しが大きく遅れた。2番手キミ・ライコネン(ロータス)、3番手マルドナード、4番手アロンソ、5番手ウェバー、6番手ジェンソン・バトン(マクラーレン)。小林可夢偉(ザウバー)は10番手にジャンプアップ。

中団で接触あり。ロメ・グロジャン(ロータス)の右フロント、ポール・ディ・レスタ (フォース・インディア)の右リアがパンクでスロウ走行。ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)もピットへ。ニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)がストップ、リタイアだ。

裏ストレートでライコネンに並びかけられたハミルトンだったが、これを振りきって3周目には1秒9のリードを形成した。ピットからスタートしたベッテルは、ブルーノ・セナ(ウィリアムズ)と軽く接触してフロントウイング右側を痛めている

9周目の第16コーナーで2台が絡んだクラッシュ発生。マシンのトラブルで急減速したナレイン・カーティケヤン(HRT)にロズベルグが激しく追突したのだ。すぐにセーフティカー導入。両ドライバーは無事だ。ただし、コース上に破片が飛び散って清掃に時間がかかりそう。

セーフティカー先導でラップ中の13周目、12番手ベッテルの前方を走っていたダニエル・リチャルド(トロ・ロッソ)が大きく減速、やむを得ず回避行動をとったベッテルだったが、コース脇のサインにフロントウイングを引っ掛けてしまった。さらにダメージを負ったベッテルは14周目、ピットに入ってフロントウイング交換、タイヤをミディアムからソフトに換えて最後尾で隊列に戻った。

同じころ、セーフティカーの回転灯が消える。15周目にレース再開だ。ハミルトンは早速15周目に1分47秒886の最速ラップを記録。ライコネンを引き離しにかかる。16周目、19番手まで追い上げたベッテルと前方グロジャンのバトルが激しい。抜きつ抜かれつの末、ベッテルは白線を大きくまたいで再度グロジャンを抜いた。20周目、ハミルトンは突然スローダウン。芝生エリアにマシンを止めてリタイアとなった。

これでライコネンがトップ浮上。22周目、アロンソが裏ストレートでマルドナードを抜いて2番手へ。ライコネンとの差は5秒7だ。23周目、4番手ウェバーがアウト側からマルドナードをパスしようとして両者のタイヤ同士が接触、ウェバーは逆に順位を落とす。次の周、今度は4番手バトンがマルドナードに襲いかかり、見事に攻略。その後ろではペレスがマッサを抜いて5番手へ。

29周目、アロンソがピットイン、やはりソフトからミディアムにスイッチしてコース復帰。現地時間は午後6時。空がすっかり暗くなった。次の周、2番手バトンがピット。続いてマルドナードも。31周目、ペレスとウェバーが相次いでピットイン。タイヤ交換を終えていないのはトップのライコネン、7番手まで上がったセナのみ。しかし、この周を終えてライコネンはピットへ。

各車がタイヤ交換をしたスキにベッテルは2番手まで上昇。14周目に履き換えたミディアムタイヤは最後まで保つのか。33周目、ライコネン1分46秒055で最速を更新。2番手ベッテルは2秒後方だ。同じころ、3番手アロンソと4番手バトンの差が詰まってきた。

37周目、ベッテルがピットイン。ソフトからソフトに換えてグロジャンの直前、5番手で戦列に戻った。ここでベッテルを意識したグロジャンがわずかに運転ミス。これを見てとったディ・レスタ、ペレス、ウェバーが次々とグロジャンに襲いかかる。

この結果、ディ・レスタとペレスが接触。コースオフしたペレスが戦列に戻る際に今度はグロジャンと接触、行き場を失ったウェバーがとばっちりを受けてコースアウト、リタイア。2回目のセーフティカー導入だ。きっかけを作ったペレスは、ピットで10秒ストップのペナルティーを受ける。

42周目の終わりでセーフティカーがピットに戻って、各車は無難に再スタート。ライコネンは早速、1分45秒403の最速を出して2番手アロンソから逃げに入る。ライコネン以外で速いのは、4番手ベッテルだ。46周目、バトンとベッテルの差はコンマ9秒で、DRS圏内。ベッテルの車載カメラに映るバトンは、明らかにリアの挙動が不安定だ。おなじ周、ライコネンは1分44秒963でまたまた最速を塗りかえる。

47周目に2番手アロンソが1分44秒816、次いで1分44秒631、1分44秒270と最速を連発。ベッテルがバトンを攻めあぐんでいるあいだに逃げ切るばかりか、ライコネンを追う展開となった。その差は2秒。52周目、第2セクターで最速を出したベッテルがついにバトンを攻め落とし、3番手へ。この周、ライコネンとアロンソの差は1秒4。ベッテルは4秒6後方だ。

53周目、ライコネンとアロンソはちょうど1秒差。54周目、ベッテルが1分43秒964で最速。ライコネンは冷静な走りで最終ラップに突入。F1世界タイトル経験者4人が見応えのあるレースを見せ、ついにチェッカー。ライコネン今季初勝利、2位アロンソ、3位ベッテル、4位にバトン、5位マルドナード、6位に大健闘の小林可夢偉、7位マッサ、8位セナ、9位ディ・レスタ、10位にはダニエル・リチャルド(トロ・ロッソ)が飛び込んだ。

ドライバーズタイトル争いは、2戦を残してベッテル255点、アロンソ245点。

次回は11月19日、テキサス州オースティンで初開催となる第19戦アメリカGP。いよいよ2012年シーズンも大詰めだ。

【結果】F1第18戦アブダビGP決勝、各ドライバーのタイム、タイム差など
F1第18戦アブダビGP決勝の結果

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