元F1ドライバーのティモ・グロックは、2024年もレッドブルがライバルチーム立ちを置き去りにして独走する可能性が高いと考えている。
■過去最強F1チームとなったレッドブル
先週末の最終戦アブダビGPで幕が下りた2023年F1シーズンだが、レッドブルは全22戦中21戦で勝利をかざっており、1シーズンでの勝率95.5パーセントという驚異的な記録を打ち立てている。
もちろん、これはアイルトン・セナとアラン・プロストを擁して16戦のうち15勝で勝利したマクラーレン・ホンダの勝率93.75パーセントを塗り替えるF1新記録だ。
2014年から2021年まで8年連続でF1コンストラクターズタイトルを獲得したメルセデスを率いるトト・ヴォルフ(チームCEO兼代表)も、今年のレッドブルの強さはこれまでのF1では目にしたことがなかったものであり、自分たちの目の前に「エベレスト」がそびえたっているようなものだと形容している。
■来年もレッドブルが強いのは確かだとハミルトン
そして、7度F1チャンピオンに輝いた実績を持つルイス・ハミルトン(メルセデス)は、2024年もレッドブルが今年と同じように強いのは間違いないだろうと次のように語っている。
「レッドブルは(アブダビで)17秒差をつけて勝った。そして、彼らは8月からマシンに触れていないんだ」
「だから、来年彼らがどの位置にいるかは簡単に想像がつくだろう」
■接戦となるのが好ましいが、そうはならないだろうとグロック
かつてトヨタやヴァージンでF1を戦った経験を持つグロックも同じように考えている。
「メルセデスにはまだ不確かなことが多いと思う」
「だけど、彼らやほかのチームがマックス・フェルスタッペンに近づくことができれば、F1が再びもっとエキサイティングなものになるだろうね」
母国ドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』にそう語ったグロックだが、ハミルトンの言う通り、レッドブルがこれほど早く2023年型マシンの積極的開発をやめて2024年型マシンの開発にシフトしたことを考えれば、ライバルチームたちにとっては来年もまた苦しいシーズンになる可能性が高いだろうと考えている。
「彼らは今年の中盤にはすでにマックスが大きくリードしていたことから2024年型マシンに非常に早い段階から集中できるという楽な状況にあった」
41歳のグロックはそう語ると、次のように付け加えた。
「あそこ(レッドブル)の人たちには、コンセプトをどの方向に向けて開発する必要があるのかがはっきりと分かっていたんだ」。