2023年F1シーズンはレッドブルとマックス・フェルスタッペンの圧倒的勝利に終わったが、2024年も同じようなことを目にする可能性が高いと考えている者も多い。
2023年のコンストラクターズランキングをレッドブルに次ぐ2位で終えたメルセデスを率いるチーム代表のトト・ヴォルフは、レッドブルは自分たちの前に「エベレスト」のようにそびえ立っていると形容し、それを征服するのは困難だろうと予想している。
■レッドブルは手の届くところにいるとフェラーリのボス
だが、フェラーリのチーム代表を務めるフレデリック・バスールは、2024年シーズンに向けてメルセデスよりも希望を抱いているようだ。
「5か月前までは、レッドブルは別の惑星にいた」
先週末のF1最終戦アブダビGP決勝でチェッカーフラッグが振られた後にそう語ったバスールは、次のように続けた。
「今日は、彼らは別の惑星にはいなかった」
「我々は、少なくともシーズン中盤までは苦戦を強いられた。だが、最後の7レースか8レースでの我々のパフォーマンスは非常によかった」
「だから、これから自分たちの計画を覆す必要などないよ」
■ライバルたちには一貫性がないとレッドブル首脳
しかし、レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)によれば、レッドブルが2023年シーズンにこれほど圧倒的な強さを示すことができたのは、単にマシンが優れていたためだけではなく一貫性があったためだという。
「我々はどのレースでもトップだったが、ライバルたちは決して一貫していなかった。フェラーリもそうだったし、メルセデスもそうだった」
母国オーストリアの『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』紙にそう語った80歳のマルコは、2024年シーズンの展望に関して次のように続けた。
「少なくともレギュレーションは安定している。エンジンは信頼性の面で改善されるだけだがシャシーに関しては現在のマシンの進化を目にすることになるだろう」
「そして、今年の我々のマシンはどのサーキットでも速かったし、さまざまなコンディションにおいて常にタイヤを最適に使うことができていたよ」
■レッドブルの切り札は来年もフェルスタッペン
しかしマルコは、2024年にはマックス・フェルスタッペンの4年連続F1ドライバーズタイトル獲得に向けた挑戦は今年ほど楽なものにはならないだろうと予想している。
「間違いなくもっとタイトになるだろうね」
「でも、誰も一貫性を持って我々に挑戦してこない限り、我々にはまだいいチャンスがあると思っているよ」
そう語ったマルコは、レッドブルが持つ最大の強みは今年22戦中19戦で勝利するという新記録を打ち立てたフェルスタッペンだと次のように付け加えている。
「我々には絶対的トップレベルにあるマックスもいる。ほとんど怖いくらいのね」