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“時差ボケ”で「意識もうろう」のラスベガスから時差12時間のF1アブダビGPへ4千人が大移動・・・来季はさらに過酷な24戦

2023年11月21日(火)19:25 pm

いろいろと物議をかもした今季のF1第22戦ラスベガスGPだが、そのレースを終えたF1ドライバーやチーム関係者たちがかなり疲労困憊しているのは間違いないようだ。

●【2023F1第23戦アブダビGP】全セッションの結果・開催スケジュール

■通常はあり得ないスケジュールで行われたラスベガスGP

“眠らない街”とも形容されるラスベガスだが、予選は深夜0時から、決勝も午後10時スタートと、まるでラスベガスでよく行われるボクシングの試合と似たようなスケジュールが組まれていた。

しかも、木曜日に行われたフリー走行1回目が開始早々にマンホールの蓋が外れたことで中止となり、本来深夜0時スタートと予定されていたフリー走行が90分に変更されて深夜2時30分に開始されたことから、ドライバーたちがそのセッションを終えたのは金曜日の午前4時というとんでもない時間となっていた。

ネット上には、F1ドライバーたちがあくびをしながらレース週末を過ごしている写真が何枚も出回っている。

■意識がもうろうとしていたとリカルド

オーストラリア出身ドライバーであるダニエル・リカルド(アルファタウリ)は、ラスベガスでのスケジュールについて質問されると次のように答えた。

「確かに疑問だったよ」

「もし選択肢があるのなら、皆の健康と安全のために全体を前倒しするべきだよ。そのほうがすべてのためになるし、全員にもっと活力が生まれるだろう」。

「本当に、僕たち誰もが少し意識がもうろうとしていたように感じたよ」

■最大の課題は「時差ボケ」だったとラッセル

ラスベガスGPではドライバーやチーム関係者たちからさまざまな不満が噴出ていたが、現在F1ドライバーたちによる任意団体であるGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の理事を務めるジョージ・ラッセル(メルセデス)は 最大の課題は通常とは大きく異なるスケジュールにより時差ボケが生じてしまっていたことだと考えている。

「時差ボケに関しては、今シーズンで一番辛いレースだったよ」

そう語った25歳のイギリス人ドライバーは次のように付け加えた。

「そして今度はアブダビだ。4000人がこれからその旅をしなくてはいけないんだ」

メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフも、ラスベガスでチェッカーフラッグが振られた後すぐにヨーロッパに戻り、自宅で妻と子供と1日過ごした後、木曜日(23日)に行われる手続きに間に合うようにアブダビに行く予定だと語ると、微笑みを浮かべながら次のように付け加えた。

「我々みんなの心は月の上のどこかにあると思うよ」

■FIAは成長できていないと元F1ドライバー

元F1ドライバーのクリスチャン・アルバースは、慌ただしいカレンダーと、長いシーズンの終わりにラスベガスとアブダビの時差問題が起きることに関して、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)はもっといい手を打っておく必要があったと考えている。

「大きな問題は、FIAが組織とともに成長していないことだ」

母国オランダの『De Telegraaf(テレグラーフ)』にそう語った44歳のアルバースは次のように付け加えている。

「もっと優秀な人材を獲得するためにお金を使うべきなのに、現時点での彼らにはそれができていない。それに関しては、ここ数年にわたって彼らは本当に失敗していると思うよ」

■来年のF1は年間24レースという未知の世界へ

2023年のF1カレンダーは、第6戦エミリア・ロマーニャGPが洪水のために中止になったことで実際のレース数はひとつ減ったものの、全23戦が組まれていた。だが、2024年の暫定カレンダーでは年間レース数が24戦に膨れ上がっており、今年よりも実際に2レースが増えることになる。

特にシーズン終盤にはアメリカGP、メキシコシティGP、サンパウロGPが3週連続開催となり、その3週間後にはまたラスベガスGP、カタールGP、最終戦アブダビGPが3週連続で行われるというかなりタイトなスケジュールとなっている。

ブラジルでのサンパウロGPからラスベガスGPの間には2週間の間が空くとは言え、ラスベガスの翌週にはやはり11時間の時差があるカタールでのレースが待ち構えることになる。F1やFIAとしても、特にラスベガスでのレーススケジュールに関しては今年の反省点を踏まえて調整を行う必要があるかもしれない。

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