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【F1】多くのチームにとって2023年シーズン後半の課題となる“ルーキードライバー起用ルール”

2023年08月24日(木)17:11 pm

2023年F1シーズンの夏休みも終わり、いよいよ今週末の第14戦オランダGP(27日決勝)からシーズン後半戦がスタートすることになる。

そして、今後F1チームが頭を悩ませることになるのが、F1が定めているルーキードライバー起用に関するルールにどう対応していくかということだろう。

現在のルールでは、F1チームは少なくともシーズン中に2回、金曜フリー走行でルーキードライバーを起用しなくてはならないことになっている。もちろん、その場合はレギュラードライバーがフリー走行出走の機会を失うことになってしまう。

■フェラーリはオランダGPでシュワルツマンに走行機会を提供

フェラーリでは、このルールに基づいて、ザントフォールト・サーキットで行われる今週末のオランダGP金曜フリー走行1回目にリザーブドライバーである23歳のロベルト・シュワルツマンを起用することになっている。

そして、今回シュワルツマンにマシンを提供することで貴重な練習走行時間を奪われることになるのはカルロス・サインツのようだ。

フェラーリでは、どのタイミングでルーキードライバーにフリー走行出走機会を与えるかについては、レギュラードライバーの意見を尊重して決めているという。

フェラーリのチーム代表であるフレデリック・バスールは、これに関して次のように語っている。

「我々は、いつ休みを取りたいのか、ドライバーたち自身に決めさせているんだ」

伝えられるところによれば、サインツのチームメートであるシャルル・ルクレールの方は最終戦アブダビGP(11月26日決勝)で、ルーキードライバーにマシンを提供することになると考えられている。

一方、フェラーリ以外のチームに関しては、どのレースでルーキードライバー起用ルールに対処するのかはまだ不透明な状況だ。

■F1チームにとってこのルールに対応しやすいグランプリは?

現時点での情報によれば、メルセデスは今季のF2選手権において現在ランキング2番手につけているフレデリック・ベスティを第20戦メキシコGP(10月29日決勝)の金曜フリー走行に出走させる予定だと言われている。

そして、F1関係者の多くは、メルセデスと同じようにメキシコでルーキードライバーを起用するチームが増えるだろうと予想している。

それは、チームがこのルールに従うための妥当な機会はほかにあまりないからだ。

たとえば、モンツァで行われる第15戦イタリアGP(9月3日決勝)は再びATA(代替タイヤ配分方式)が適用されるし、第16戦シンガポールGP(9月17日決勝)の舞台となるマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットはレイアウト的にルーキードライバーにはふさわしくないと考えられている。

また、第18戦カタールGP(10月8日決勝)、第19戦アメリカGP(10月22日決勝)、そして第21戦サンパウロGP(11月5日決勝)はスプリントが実施される週末となるため、予選前のフリー走行が1回しかない。さらに、第22戦ラスベガスGP(11月18日決勝)はF1にとってまったく新しいストリートサーキットであり、レギュラードライバーの走行時間を削るのは難しいだろう。

そうなると、残るのは鈴鹿で開催される日本GP(9月24日決勝)、メキシコGP、アブダビGPの3レースということになり、これらのレースでルーキードライバーを金曜フリー走行に起用することになるチームが多くなると考えられている。

■このルールを心配する必要のないチームも

しかし、こうした中にあって、マクラーレン、アルファタウリ、そしてウィリアムズの3チームはこのルーキールールのことを気にする必要はないようだ。

それは、このルールにおけるルーキードライバーの定義は「これまでのキャリアの中で2回以上F1世界選手権に参戦したことがないドライバー」だとされているためだ。

今年は、マクラーレンはオスカー・ピアストリ、アルファタウリはニック・デ・フリース、ウィリアムズはローガン・サージェントをレギュラードライバーとして起用しているが、それらのドライバーはいずれも上記のルーキードライバーの定義に合致している。

このため、この3人のドライバーたちはすでにここまでのグランプリで金曜フリー走行に出走していることから、これらのチームはすでにそのルールを消化したことになるわけだ。

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