フェラーリのチーム代表を務めるフレデリック・バスールが、2023年のレッドブルは「全ての分野において完璧」だと認めた。
昨年までフェラーリのチーム代表を務めていたマッティア・ビノットの後任として、今季からイタリアの名門F1チームを率いているフランス出身のバスールだが、ここまでのところは苦戦を強いられていると言っていいだろう。
昨年は最強レッドブルに次ぐコンストラクターズランキング2位だったフェラーリだが、2023年シーズンはここまでに12レースを終えた時点でメルセデスばかりかアストンマーティンにも先行を許している。
こうした中、バスールは積極的にライバルチームから優秀な技術者の引き抜きを図っているようだ。
■引き抜いた人材が稼働できるまでには時間も必要
バスールは、すでに25人ほどの技術者獲得に成功したと示唆しているが、その中のひとりはメルセデスのパフォーマンスディレクターを務めるロイク・セラだと考えられている。
しかし、セラはメルセデスとの契約において2024年末まではほかのチームに移籍することができないことになっていると考えられており、フェラーリへの着任は2025年まで待たなくてはならないようだ。
「ある者は2024年初旬から、またある者は2024年中盤からスタートすることが許されている。そして中には2025年初頭までそうできない者もいるよ」
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にそう認めたバスールは、次のように付け加えている。
「それは少しばかりいらだたしいよ。なぜならずっと先のことまで計画しなければならないわけだからね。それに、コストの上限内で人材を組み込んでいくのは簡単なことではないんだ」
■今のチームを信頼していないわけではない
そう語ったバスールだが、現在行っている新たな人材獲得の動きは、既存のチームを信頼していないことを意味するものではないと主張している。
「前も後もないんだ」
そう語った55歳のバスールは、次のように続けている。
「フェラーリが成功への道へ戻るために新参者たちを待つ必要はないんだ。それは間違ったメッセージだよ」
「私は今のチームを信頼しているよ」
■目指すのはレッドブルのような完璧なチーム
しかし、バスールは、2024年にはこれまでとは大きく異なる新たなシャシーとギアボックスを導入する可能性を否定していない。だが、バスールによれば、それは全体として「全く新たなコンセプト」になるわけではないという。
「我々は全てのエリアで一歩前進しなければならない」
そう主張したバスールは、今季圧倒的な力を誇っているレッドブルがそのお手本となるのは確かだと示唆するように次のように付け加えている。
「彼ら(レッドブル)はあらゆる分野で本当に完璧だよ。シャシー、エアロダイナミクス、エンジン、ドライバー、あるいは戦略にかかわらずね。そして、それが違いを生むんだ」