F1がタイヤウォーマーの使用を2024年から禁止するのかどうか、その結論は次回のF1委員会において出されることになりそうだ。
■タイヤウォーマー禁止を目指すF1
現在のF1では、事前にタイヤウォーマーでタイヤを一定の温度にまで温めておき、ドライバーがコースに出たときにすぐにタイヤがその性能を発揮できるようにすることが認められている。
だが、環境問題への対応やコストの削減という観点から、F1では2024年以降タイヤウォーマーの使用を禁止する方向で準備を進めてきている。
しかし、F1チームの中には、タイヤウォーマーを使用せず、冷たいタイヤのままでドライバーがコースに出た場合、事故が起こるリスクが高まるとしてこれに難色を示しているところもあるようだ。
■疑問は残るとシャルル・ルクレール
今週、いくつかのチームが、シルバーストン・サーキットでピレリの2024年仕様プロトタイプタイヤのテストを行ったが、このテストではタイヤウォーマー禁止に備えてそれを使用しない条件で行われている。
フェラーリはすでに6月にスペインのバルセロナで同様の条件のもとで行われたタイヤテストに参加していたが、このほどシャルル・ルクレールは次のように語っている。
「今のところ、僕は全ての答えを持ってはいないよ」。
「僕がテストしたときのコンディションはよかったと言っておく必要があると思う。気温が低いとどうなのかはわからない。そこが大きな疑問符だね」
■決定は次回のF1委員会で
F1公式タイヤサプライヤーであるピレリのレース責任者を務めるマリオ・イゾラによれば、2024年にタイヤウォーマーの使用を禁止するかどうかの決定は近々開催されるF1委員会で下されることになるという。
「F1委員会でブランケット(タイヤウォーマー)を禁止するかどうかを決定することになる」
イゾラはそう語ると、次のように続けた。
「我々は今、チーム代表が40ページも50ページも読む必要がないように計画概要書を作成しているところだ。もちろん、チームのタイヤ担当者たちにも全てのデータを提供する予定だよ」
「もし、ブランケットをもう1年続けたいということになれば、我々はそうすることになるだろう」
■レース戦略への影響が大きいタイヤウォーマー問題
イゾラは、タイヤウォーマーを使用しない場合、タイヤはこれまでとは“異なる”ものになることを認めている。つまり、ドライバーはサーキットに出たら自分自身でタイヤの温度を上げる必要が出てくるということだ。
「それがレース戦略に影響を及ぼすものであることを理解する必要がある。なぜなら、もちろん、我々は新たな状況によってショーにダメージを与えたくないと思っているからだ」
そう語ったイゾラは、次のように付け加えている。
「しかし、我々が全てのF1関係者と合意した方向性は、環境への影響を減らし、スポーツをより持続可能なものにすることだ。そして、我々はそれを行っているところだ」