レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、現時点においてはセルジオ・ペレスとの契約を解除するつもりはないと主張した。
■シート喪失が噂される不振のペレス
2023年シーズン序盤には現F1チャンピオンであるマックス・フェルスタッペンとほぼ互角のパフォーマンスを見せて2勝をあげたメキシコ出身のペレスだが、第7戦モナコGPからはスランプに陥っており、5戦連続で予選Q3進出を逃している。
こうした中、レッドブルは遅かれ早かれペレスを諦めることになるだろうと予想している者も少なくないようだ。
■ペレスは「危機的状況」にあるも「問題はない」とマルコ
しかし、現在ペレスと2024年までの契約を結んでいるレッドブルとしては、その契約を中途解除する必要があるとまでは考えていないようだ。
「彼は15番手からスタートした。だから、6位なら問題ないよ」
先週末にシルバーストン・サーキットで行われたF1イギリスGPに言及しながら母国オーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』紙にそう語った80歳のマルコは、次のように付け加えた。
「いずれにせよ、彼が危機的状況にあることに疑問の余地はないがね」
■ダニエル・リカルドのレッドブル復帰は?
こうした中、レッドブルのドライバー問題に関しては依然としていくつかの噂がささやかれている。
例えば、現在レッドブルのリザーブドライバーを務めているダニエル・リカルドが11日(火)からシルバーストン・サーキットで行われるピレリのタイヤテストに参加し、2023年型レッドブルF1マシンをドライブすることになっていることから、その結果次第ではレッドブルがリカルドをペレスの後任としてF1復帰させることも考えているのではないかと考えられている。
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、先週末のシルバーストンで次のように語っていた。
「それはピレリにとって重要なテストだ。しかし、ダニエルがどんな状態なのかを見ることができるのもいいことだね」
だが、ホーナーも、かつて2018年までレッドブルで走っていたリカルをペレスの後任候補として考えてはいないと語っており、現時点においては2024年まではペレスがフェルスタッペンのチームメートを務めることになる可能性が高いと考えられている。
■レッドブルがランド・ノリス獲得を検討?ホーナーは自宅BBQに全F1ドライバーを招待
しかし、レッドブルではすでに将来に向けていくつかの選択肢を検討し始めているのかもしれない。
例えば、先週末のシルバーストンではマクラーレンのランド・ノリスが印象的なパフォーマンスを見せたが、伝えられるところによれば、マルコはノリスのマネジャーを務めるマーク・ベリーマンと会談を行ったと考えられている。
また、イギリス出身のホーナーも、母国でのグランプリを終えた後、自宅でのバーベキュー・パーティーにF1ドライバーたちを招待していたようだ。そして、現役F1ドライバーの約半数がそこに集まったと伝えられており、その中には23歳のノリスの顔もあったようだ。
「彼(マックス・フェルスタッペン)はランドとのレースを楽しんでいたのがわかるだろう」
『si.com』にそう語ったホーナーは、次のように付け加えている。
「昨夜はドライバー全員を私の家でのバーベキューに招待したんだ。そして、彼らはすぐにサーキットで起こったことについて話を始め、F3やカートで起こったことにまで目を輝かせていたよ」
ちなみに、ノリスはマクラーレンと2025年まで契約を結んでいる。そして、今季前半にマクラーレンが絶不調の状況にあった頃には、ノリスがマクラーレンとの契約を解除し、ほかのチームへ移籍する可能性を探っているという噂もささやかれていた。
シルバーストンで大きくパフォーマンスを改善してみせたマクラーレンだが、もしもノリスが今後コンスタントにトップ争いにからむことができるようになってくれば、またそうした様相にも変化が生じることになるかもしれない。