世界的エナジー飲料メーカーである『レッドブル』が所有する2つのF1チームのドライバープログラム責任者として知られるヘルムート・マルコが、ニック・デ・フリース(アルファタウリ)の今後に関しては夏休み前最後のレースとなる第13戦ベルギーGP(30日決勝)後に判断することになると示唆した。
■オーストリアでは角田より上位で終えたデ・フリース
今季アルファタウリで初のF1フルシーズンを戦っているオランダ出身ドライバーのデ・フリースだが、ここまでのところまだ1ポイントも獲得できておらず、今シーズン限りで、もしくは今シーズン中にも、シートを失う可能性があると噂されている。
こうした状況のもとで先週末のF1オーストリアGPに臨んだデ・フリースだったが、金曜日に行われた予選は最後尾20番手に沈み、日曜日のレースはピットレーンからスタートし、17位で終えている。
しかし、チームメートの角田裕毅がレース開始早々マシンにダメージを負ったのに加え、トラックリミット違反による10秒ペナルティーを受けたこともあって19位に沈んでしまったことから、デ・フリースは角田よりも上位で決勝をフィニッシュしている。これは第7戦モナコGPに続いて今季2回目だ。
■期待はブダペストでのハンガリーGP
そして、デ・フリースもオーストリアGP決勝での自分のパフォーマンスには満足しているようだ。
「あれ以上のことはできかったと思う。堅実なレースだったと僕は思うよ」
レース後にそう語った28歳のデ・フリースは、最近の噂などは気にしないようにしているのだと次のように続けている。
「ほかの人たちがどう思うかはあまり気にしていないし、自分ができる最善のことをしようと取り組んでいるんだ」
「今月下旬のブダペスト(第12戦ハンガリーGP/23日決勝)は、長いストレートもなく、ダウンフォースも多いので、僕たちに一番合っていると思うよ」
■今のアルファタウリでポイント獲得はほぼ「非現実的」
2023年のF1はここまでに9レースを消化しているが、デ・フリースはいまだに1ポイントもとることができていない。現時点でまだノーポイントなのは同じルーキードライバーであるウィリアムズのローガン・サージェントとデ・フリースの2人だけだ。来季もアルファタウリに残留するためにデ・フリースに必要なことは、まずはポイントを獲得することだろう。
だが、デ・フリースは、それは難しい注文だと次のように続けた。
「もしポイントをとることが条件なら、彼らは非常に難しいことを要求していることになる。ほとんど非現実的だよ」
「僕はただ自分の仕事をしようとしているだけだし、このレースはよかったと思っているよ」
■デ・フリースにとっては今後の3レースが勝負?
だが、マルコは、デ・フリースに関しては今週末にシルバーストンで行われる第11戦イギリスGP(9日決勝)に加え、ブダペストでのハンガリーGP、スパ・フランコルシャンでのベルギーGPまで様子を見るつもりだと示唆している。
「それから、我々はどうするかを決めることになるだろう」
オーストリアGP決勝後にそう語った80歳のマルコは、次のように付け加えた。
「だが、ニックはここで今年最高レベルのレースをしたと私は思っているよ」。