2023年のF1で戦う2人のルーキードライバーが抱えるプレッシャーがどんどん大きくなってきているのは間違いないだろう。
■試練の時を迎えた2人のルーキーF1ドライバー
昨年のイタリアGPにおいて虫垂炎を発症したアレクサンダー・アルボンの代役としてウィリアムズからF1デビューを果たし、見事にそのレースでポイントを獲得してみせたオランダ人ドライバーのニック・デ・フリースだが、2023年にはアルファタウリのフルタイムシートを獲得したものの、ここまでのところ期待された結果を残すことができていない。
レッドブルとそのセカンドチームであるアルファタウリのドライバープログラム責任者として知られるヘルムート・マルコは、デ・フリースに対しては“イエローカード”を提示したような状況だと認めており、あと数戦のうちに28歳のデ・フリースに改善の兆しが見られなければ、シートを喪失する可能性もあると考えられている。
こうした状況は、ウィリアムズの新人ドライバーであるアメリカ出身のローガン・サージェントにも当てはまるようだ。
昨年まで在籍したニコラス・ラティフィに代わって今季ウィリアムズでF1デビューを飾った22歳のサージェントだが、ここまでの5レースでは予選・決勝ともにまだ一度もチームメートのアルボンを上回ることはできておらず、まだ1ポイントも獲得できていない。
今季、現時点で1ポイントも獲得できていないドライバーはデ・フリースとサージェントの2人だけとなっている。
今年からウィリアムズのチーム代表を務めているジェームズ・ヴォウルスは、就任当初からサージェントに関しては不安を感じていたことを認めている。ちなみに、2023年にサージェントを起用することを決めたのは、前チーム代表のヨースト・カピートだった。
■サージェントも結果を出し始めることが必要だとウィリアムズのボス
「私は、彼は慣れるまで少し時間がかかるのではないかと思っていたが、そのことをあまり口に出さないようにしていたんだ」
「私は、彼がアレックスのペースについていけるとは期待していないんだ」
「それに、彼はこれまで見たこともなかったサーキットで数戦を戦ってきたわけだからね」
サージェントについてドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』にそう語ったヴォウルスは、それでもサージェントは「速いドライバー」であることは間違いないと主張し、次のように付け加えた。
「だが、彼はいろんなことをコントロールし、手際よく結果を出し始めなくてはならない」
■ミック・シューマッハがサージェントの後任候補?
しかし、ドイツの『Sport1(シュポルト1)』によれば、ヴォウルスが昨年まで所属していたメルセデスを率いるトト・ヴォルフ(チームCEO兼代表)は、現在メルセデスのリザーブドライバーを務めているミック・シューマッハをサージェントの代わりに起用するようウィリアムズに働きかけていると考えられているようだ。
昨シーズン限りでハースのシートを失った24歳のシューマッハは、微笑みを浮かべながら母国ドイツの『Bild(ビルト)』に次のように語っている。
「僕は星座を信じているんだ。僕は牡羊座だから、復帰するためなら壁に頭だってぶつけるよ」