マティア・ビノットが、仮に2023年型フェラーリF1マシンが成功を収めたとしても、その手柄は自分のものではないと主張した。
■ビノット在任中に設計されたマシンで2023年を戦うフェラーリ
イタリア系スイス人であるビノットは、ミハエル・シューマッハを擁して大成功を収める前からエンジニアとしてフェラーリで腕をふるい、2019年シーズンからは昨年まで4年にわたってチーム代表と技術責任者を兼務していた。
だが、2022年のマシンは強力だったものの、信頼性問題やチームの戦略ミスなどによってタイトル争いからは脱落してしまった。そしてビノットはその責任をとらされる形で、シーズン後にフェラーリを追われてしまった。
フェラーリは14日(火)に2023年型マシン『SF-23』を発表したが、その大部分はビノットの在任中に開発されたものであり、ビノットの作品だと言っても過言ではないだろう。
■F1で大事なのは個人ではなくグループだとビノット
そのことについてイタリアの『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』から質問を受けた53歳のビノットは、次のように答えている。
「F1では、大事なのは個人ではなく、グループ全体なんだ」
「これは私が昨年フェラーリにいたときに設計されたマシンだ。だが、これは私のマシンではない。これはフェラーリのマシンだよ」
近い将来、2026年から正式参戦するアウディのF1プロジェクトに加わるのではないかとの噂もあるビノットはそう語ると、次のように付け加えた。
「勝つためには、常に最高のマシンを持つ必要がある。最後のコンマ2秒はドライバーがサーキット上で違いを生むんだ」
フェラーリは、ビノットの後任として昨年までアルファロメオを率いていたフレデリック・バスールを新チーム代表に迎えて2023年シーズンに臨むことになっている。