今年はウィリアムズ移籍後2年目、通算では4年目のF1シーズンを迎えるアレクサンダー・アルボンが、自分とダニエル・リカルドのケースは状況が全く違うと考えている。
■2023年はグリッドから離れる決断をしたリカルド
昨シーズン限りでマクラーレンのシートを失ったリカルドは、2023年シーズンはレッドブルのサードドライバーとして過ごすことになる。
「僕はアイデアを共有し、できる限りチームのベストメンバーであろうとするつもりだよ」
「それが、本当に僕がやりたいことなんだ。個人的には自由な時間も欲しいと思っているからね」
そう語った33歳のオーストラリア出身ドライバーは、次のように付け加えた。
「これが僕にとって最後のチャンスだとは思っていないよ。僕は今いる場所にすごく満足しているんだ」
■レッドブルのシートを失った経験を持つアルボン
F1関係者の中には、現在のリカルドの状況は2021年のアルボンのケースと似ていると考えている者もいる。
2019年にレッドブルのセカンドチームであるトロロッソ(現アルファタウリ)でF1デビューしたイギリス生まれのタイ人ドライバーであるアルボンは、その年にレッドブルでマックス・フェルスタッペンのチームメートを務めることになったもののなかなか調子が上がらなかったピエール・ガスリー(現アルピーヌ)と入れ替わりに、シーズン後半にレッドブルに昇格。
そして、翌2020年も引き続きレッドブルで走ったアルボンだが、やはりフェルスタッペンとの差は大きく、2021年はセルジオ・ペレスにそのシートを明け渡し、レッドブルのリザーブドライバーに降格されてしまったという経緯がある。
■自分とリカルドのケースは違うとアルボン
しかし、2022年にウィリアムズのフルタイムドライバーとしてグリッドに復帰した26歳のアルボンは、自分とリカルドのケースとは大きく異なると考えている。
「僕の場合は、自分が選択したわけじゃなかった」
「彼は年齢も精神状態も違うと思う」
「F1から離れていたとき、僕は24歳だったと思うし、またF1に戻りたいというハングリー精神と欲求がすごくあったよ」
「僕に言えるのは自分のことだけだから、わからないけれど、レーシングドライバーとして大成功を収めてきたダニエルは、おそらくトップチームでない限り、ほかのチームに加わりたいとは思っていないのだろうと僕は想像しているよ」
「僕は、それが一番大きな違いだと思っているよ」
■夏までには次に向けた答えがわかるだろうとリカルド
確かに、F1で大きな実績を持つオーストラリア出身ドライバーのリカルドに関しては、ハースなどが獲得のチャンスを狙っていたと考えられている。
だがリカルドは、アルボンが指摘したように、今年は小規模チームのフルタイムドライバーとしてグリッドに留まることよりも、あえて1年休みをとることを決断している。
今年はレッドブルのアンバサダー的役割を担うことが中心となるリカルドだが、シーズン半ばごろには次にどうしたいのかという答えが見つかると考えているようだ。
「内面的な答えを得られるだろうと思っているよ。内面的な感覚をね」
そう語ったリカルドは、次のように付け加えた。
「きっと夏が来る前にはその答えを得られると思う。シーズンが始まり、シミュレーターでいくつかのレースをやり終えたらね」