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ベッテルが将来レッドブルF1チームの首脳として復帰する可能性も?

2022年11月21日(月)19:07 pm

レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、先週末のF1アブダビGPでF1キャリアに終止符を打ったセバスチャン・ベッテルが、将来自分の後継者としてレッドブルに戻ってくる可能性も否定はできないと語った。

■レッドブルの育成ドライバーとしてレースキャリアを歩んできたベッテル

ベッテルは1998年に世界的エナジー飲料メーカーであるレッドブルの育成ドライバーとなり、以来レッドブルと共にレーシングドライバーとしてのキャリアを積み上げてきた。

まさに、ベッテルはマルコが率いるレッドブルのドライバープログラムの生え抜きであり、2007年のF1アメリカGPでBMWザウバーからF1デビューを飾り、そこで当時の最年少入賞記録を塗り替えると、2008年にはトロロッソ(現アルファタウリ)のフルタイムドライバーとなり、その年の第14戦イタリアGPではチームに初の勝利をもたらしている。

2009年にはレッドブルに昇格し、2010年から2013年まで4年連続でF1チャンピオンに輝いたことは今更説明する必要もないだろう。

その後2015年にフェラーリ、2021年にはアストンマーティンへと移籍したベッテルは、35歳でF1から退くことを決意。先週末のアブダビではベッテルとの別れを惜しむF1関係者やドライバーたちに囲まれながら、最後のレースで10位入賞を果たしている。

■チーム戦略のミスがなければもっと上位で終えたはずだと父親

だが、息子の最後のF1レースを見るためにヤス・マリーナ・サーキットを訪れていた父親のノルベルト・ベッテルは、アストンマーティンが戦略ミスを犯さなければベッテルはもっと上位で最後のレースを締めくくることができていたはずだと考えているようだ。

ベッテルはミディアムタイヤでスタートし、そのタイヤで誰よりも長い28周を走行。そして、残りの周回をユーズドのハードタイヤで走りきったのだが、ノルベルト・ベッテルは、もっとタイヤ交換を早めに行って2回ストップ戦略をとるべきだったと示唆している。

「戦略の大失敗だ」

そう語ったノルベルト・ベッテルは、最終的にアルファロメオと同じ55ポイントで並んだものの、アルファロメオの方が上位入賞記録で上回ったことから、コンストラクターズランキングではアルファロメオに次ぐ7位でシーズンを終えることになったアストンマーティンに言及しながら、次のように付け加えた。

「彼ら(アストンマーティン)は1200万ドル(約17億円)を失ってしまったよ」

実際のところ、9番グリッドからスタートし、序盤は快調なペースで走行していたベッテルだが、タイヤを交換したあとはライバルチームのマシンの群れの中であまりペースがあがらず、苦戦を強いられていた。

フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)やルイス・ハミルトン(メルセデス)がリタイアしたこともあり、なんとか10位に食い込むことができたベッテルだが、14番グリッドからスタートしたチームメートのランス・ストロールが2回ストップ戦略で8位入賞したことを考えれば、ノルベルト・ベッテルの苦言も理解できるところだ。

■ベッテルがF1に戻ってくる可能性はあるとマルコ

一方、かつてはベッテルも所属していたレッドブルのドライバープログラム責任者としても知られるマルコは、母国オーストリアの『Servus TV』に対し、ベッテルについて次のように語った。

「彼がどんな性格で、どんな空白を残していくのか、我々みんながそれをわかっている」

「だが、それは彼が自分で決めたことだし、今後彼が何をするにしても、彼が満足するものになるはずだよ」

「彼がトップマネジメントのポジションで戻ってくる可能性もないとは言えないよ。私はもうすぐ80歳になるし、そうなったらすごいだろうね」

微笑みを浮かべながらそう語ったマルコは、ベッテルが再びドライバーとしてF1復帰する可能性も絶対にないとは言えないと考えているようだ。

最近は環境活動家としての顔も持つベッテルについて、マルコは次のように付け加えた。

「これから、彼に木を何本か植えさせてみようじゃないか。そうすればどうなるか、そのうちわかるだろう」。

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