2021年にハースでF1デビューを飾り、現在2年目のF1シーズンを戦っているドイツ人ドライバーのミック・シューマッハだが、現時点ではまだ2023年もF1グリッドに並ぶことができるかどうかが確定していない。
今シーズン前半に何度も大きなクラッシュを演じたこともあり、23歳のシューマッハが今季いっぱいでハースのシートを失う可能性もあると考えられている。
■シューマッハとの契約を延長する可能性を示唆していたハースのボス
しかし、最近ドイツの『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』が、先週末に今季の第17戦が行われたシンガポールでハースとシューマッハが2023年の契約延長に向けた交渉を開始したと報じていた。
そして、ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーも、シューマッハと2023年の契約を結ぶ可能性がかなり高まってきたと匂わせるように次のように語っていた。
「すでに2年間一緒にやった者と続けられるのは、誰か新しいドライバーを連れてくるよりもいいことだよ」
「ミックがポイントを獲得したのは運によってではなく、パフォーマンスによってだ。私は常にこう言ってきたよ。ポイントは成長の結果だとね」
■鈴鹿の金曜フリー走行で痛恨のミスを犯したシューマッハ
しかし、最近では大きなミスもなく、経験豊かなチームメートであるケビン・マグヌッセンとの差も縮まってきていたシューマッハだが、7日に鈴鹿サーキットで行われた日本GP金曜フリー走行1回目のセッション終了後にバリアにクラッシュしてしまい、マシンに大きなダメージを与えてしまった。
その結果、シューマッハはフリー走行2回目には出走することができなくなってしまった。
「ああ、がっかりだよ」
『F1TV』にそう語ったシュタイナーは、次のように続けた。
「日曜日のデータを取るためにスタート練習を行ったんだ。そして、そこから戻ってくる途中で、ミックはアクアプレーニングを起こしてバリアに衝突してしまい、マシンに大きなダメージを与えてしまった」
「フロント全体が壊れてしまったが、シャシーも全部交換しなくてはならない。シャシーに亀裂が入っているかどうかもわからないし、シャシーでリスクを負うことはできないからね。明日に向けてマシンの状態がよくなり、100パーセント安全である方がいいんだ」
ハースとシューマッハにとって幸いだったのは、予選が行われる土曜日は晴れの予報となっていることだろう。ウエットコンディションのもとで行われたフリー走行2回目に出走できなかったことも、土曜日のコンディションがドライとなればそれほど不利な条件とはならないからだ。
■今回のクラッシュがシューマッハのシート喪失確定要因となる可能性も?
しかし、路面状態が悪かったとは言え、セッション終了後にピットに戻る途中でマシンに大きなダメージを与えてしまったことは、来季の契約延長を目指すシューマッハにとっては大きなマイナス点となる可能性もありそうだ。
うわさでは、ハースの2023年に向けたドライバー候補リストには、現在アストンマーティンでリザーブドライバーを務めているニコ・ヒュルケンベルグの名前などがあると言われている。
最終的に、来季マグヌッセンのチームメートを務めるのが誰になるのかが決まるには、もうしばらく時間を要することになりそうだ。